アマゾンの森林火災に思う
よしをです。
アマゾンでは、森林火災が猛威を振るっています。
人工衛星からの映像をみると、
まるで、この世の終わりを目にしているような恐怖すら覚えます。
アマゾンの熱帯雨林の重要性を語るうえで、主張されているのが、
「地球の酸素の20%をアマゾンの森林が生み出している」、
というものです。
「地球の肺」という表現も、同じように使われていますが、
実は、この20%という数字は、まったくの過大評価なのです。
理由は簡単です。
森林が、地球の大気の20%の酸素を生み出すためには、
大気中に含まれる二酸化炭素は0.5%に対して、酸素は21%です。
こんな単純なことが正確に伝わっていないことが、
わたしには、不思議でなりません。
森林は酸素を生産するだけでなく、二酸化炭素も排出しています。
植物は、日中は、酸素を生産しますが、
日没後は、日中生産する酸素の、約50%を消費して、
二酸化炭素を排出しています。
さらに、植物が生産した酸素の残りは、
無数の微生物が、有機物を分解する際に消費します。
結局、アマゾンの森林における、酸素と二酸化炭素の総量は、
差し引き変わらず、安定しているのです。
それでは、酸素を作り出しているのは誰か、ということですが、
それは、海中の植物プランクトンです。
大気中の二酸化炭素を取り入れる植物とは異なり、
光合成をおこないます。
原材料の二酸化炭素は、海中には、ほぼ無限に存在しています。
地球上で生産される酸素の50~80%が、
海中の植物プランクトンに由来するといわれているのです。
植物プランクトンが死ぬと、深海に沈み、
死骸の一部は、巡回して、海面近くまで戻ってきますが、
一部は、沈んで、海底に固定化されるという特徴をもっています。
つまり、二酸化炭素を固定化しているのです。
最近、注目されている、メタンハイドレードも、
固定化さえたプランクトンが堆積したものだと考えられています。
20%の神話は、光合成によって、陸上で生産される酸素の20%が、
アマゾンの森林に由来することから広まった俗説のようですが、
生物多様化や、温暖化対策において、
アマゾンの森林は、重要な役割をはたしています。
各メディアにも、正しい啓蒙活動をおこなってほしいと思います。
アマゾンの森林火災は、
開発のために、人間の都合により、おこされたものです。
火災の地域では、煙による健康被害も報告されていますが、
これも愚かな人間の所業による、自業自得といえば、
言い過ぎになるでしょうか。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。