24時間コンビニ 崩壊の序章
.よしをです。
夫婦で店舗を経営していたコンビニ店オーナーが、
妻が亡くなってしまったことで、
肉体的にも精神的にも限界に追い詰められ、
やむなく、午前1時~6時の間は店を閉めることになりました。
24時間営業を維持するためには、アルバイトの補充が必要なのですが、
求人をかけても人が集まらないのです。
フランチャイズ本部からは、24時間営業ができないことに対して、
違約金1700万円の支払いとともに、契約の解除が求められています。
これは、セブンイレブンの話です。
このような強烈なペナルティが設けられているのは、
24時間営業は、セブンイレブンの根幹となる経営方針だからです。
昨今は、人手不足が深刻ですから、
上記の店舗のほかにも、オーナーの心身が疲労し、
限界を迎えている店舗は、多いことでしょう。
追い詰められた現場では、
ヒューマンエラーが多発するリスクも高まります。
しかし、フランチャイズ本部としては、そのようなリスクよりも、
店舗のオペレーションがしやすい24時間営業の利点に、
重きを置いているのです。
セブンイレブンの経営のもう一つの柱は、
ドミナント戦略とよばれるものです。
特定の地区に出店を集中させ、商圏内を独占状態にするという戦略です。
実際に、狭い範囲にセブンイレブンの店舗が集中しているのを、
見かけることがあります。
素人目には、お互いにシェアを食い合いするだけではないか、
と考えがちですが、セブンイレブンの考えは違います。
ドミナント戦略によって、ブランド認知度と顧客のロイヤルティが高まり、
いずれの店舗も売り上げが上がるということなのです。
たとえば、最寄りの駅から徒歩で家まで向かう途中、
セブンイレブンの店舗の前を通過することになるのですが、
1店舗であれば、ただ通り過ぎるところ、
複数の店舗を目にすると、立ち寄る必然性がないのに、
思わず店に入ってしまう、といった、人間の心理を突いた戦略なのです。
ドミナント戦略が成立するために、24時間営業は必要です。
しかし、コンビニは最早、飽和状態です。
現状、店舗運営が人間の手を介しておこなわれる以上、
その拡大戦略にも、さすがに限界が近づきつつあります。
過重労働を強いられるうちに、状況判断ができなくなって、
ミスが増えたり、ストレス過剰によって、最近問題になっているような、
店員による、不愉快動画の公開の遠因になっている可能性も、
否定できないのではないでしょうか。
(勿論、モラル低下の問題は、それだけでは説明できませんが)。
現場を無視した経営を続ければ、いつか本体も、破綻してしまいます。
店舗経営において、仕入れや商品管理など、
どうしても、マンパワーが必要な部分は残るでしょうが、
少なくとも、対面販売の部分においては、
無人店舗に変更することを、考えなければならない時期がやってきました。
それ以前に、わたしは24時間営業の店を必要としていませんが…。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。