さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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おさるのジョージの精神性

よしをです。

 

子どもの影響もあって、幼児向けテレビ番組をよく見ます。

わたしは、できるだけ、子どもに暴力表現のすくないアニメや、

子ども向け番組を見せたいと考えています。

息子は、トムとジェリー(暴力表現が多いので懸念しています)や、

ミッキーマウスを好んでいるようですが、

なかでも、おさるのジョージが一番好きです。

 

おさるのジョージの原作は、

ハンス・アウグスト・レイと、マーガレット・レイ夫妻の絵本のシリーズです。

レイ夫妻は、ともにドイツ・ハンブルグ生まれのユダヤ人です。

結婚後はパリに移住しますが、ドイツ軍のパリ侵攻直前に、

ジョージの原作を含む、絵本の原画数点とともに、

自転車でフランスを脱出し、スペインに逃れます。

そして、スペインからブラジルを経て、アメリカに入国し、

数々の絵本を発表します。

 

おさるのジョージでは、

博物館の職員(学芸員?)である、

黄色い帽子のおじさん(帽子だけでなく、全身黄色のコーディネイト)と、

ジョージが、ニューヨーク(たぶん)の町や、

おじさんの所有する郊外の別荘において、

人びとや、動物との触れ合いを描いた作品です。

 

ジョージがどんな種類のさるなのか、定かではありませんが、

かなりの知恵があり、ジョージが「よかれと思ってやったこと」から、

さまざまな騒動が起きますが、周囲の温かい目に見守られて、問題は解決し、

ハッピーエンドを迎えます。

 

おさるのジョージの精神性には、

動物愛護や、社会における協調精神が貫かれています。

物語には、黒人やヒスパニック、東洋人など、多様な人種の人びとが登場し、

かれらが皆、生き生きと描かれているのが特徴です。

たとえば、博物館における、黄色い帽子のおじさんの上司は、

黒人の女性教授という設定ですが、

1940~50年代のアメリカにおいて、このような表現は、

画期的なものだったでしょう。

黄色い帽子のおじさんは、普段はマンハッタンのマンションで暮らし、

週末は別荘で過ごすほどの、富裕層の独身男性です。

これは穿った見方ですが、かれの黄色に対する一種、異常なこだわりは、

なにかの障害をもった人を表現しているのではないかと考えています。

かれに博物館での仕事を与え、

詐欺などの被害にあわないように、町の人びとが手を差し伸べるなど、

ジョージの世界では、弱者に対して、社会全体でサポートをおこなっている。

わたしには、そう感じ取れるのです。

 

直接、けたたましく人種差別撤廃や人権を叫ぶことよりも、

レイ夫妻の過酷な人生と照らし合わせて、ストーリーに触れてみることで、

ますます、この作品の高い倫理性に、思いを寄せることができます。

 

おさるのジョージは、

これからも、子どもたちの成長を見守ってほしい作品です。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。