さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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終活ビジネス

よしをです。

 

終活ビジネスという奇妙な言葉が、

なぜか市民権を得て、一般的になりました。

葬式の形も、これまでとは趣が変わり、家族葬が中心になり、

団地(マンション?)スタイルのお墓が増えるなど、

本来、忌み事である、葬式や墓の扱いが、カジュアルになりつつあります。

 

数年前には、定価35000円の「お坊さん便」が登場して話題になりました。

これまで料金体系が曖昧だったお布施を、

明朗会計化するということで、注目を得ましたが、

「お布施は、サービスに対する対価ではない」として、

仏教界からの反発をうけ、販売停止騒ぎにもなりました。

しかし、その後も、「お坊さん便」への問い合わせは年々増えているらしく、

登録を希望する僧侶は増加するばかりで、

サービス開始時の350人から、1100人を超える状況だといいます。

それだけ、需要があるということなのでしょう。

 

このサービスを提供しているのは、

「よりそう」という、ITベンチャー企業です。

同社は今後、民泊仲介サイトのエアビーアンドビーと提携し、

全国各地の寺を活用した宿坊や、

座禅体験などのコンテンツを、展開していくということです。

 

葬式については、すでに全国いたるところで、葬儀場が定着しています。

しかし、お布施の料金体系というのは、ある種のタブーであり、

これまで、どの葬儀場チェーンにおいても、

このような禁忌事項を、ビジネスにするという発想はなかったと思います。

しかし、実際にこのようなビジネスが生まれた(許される)背景には、

このままの状況では、宗教(仏教)全体が、

経済的に破綻しかねないという危機的状況があります。

地方の寺院では、後継者不足や、檀家不足による経済難から、

廃寺を選択する寺が増えています。

寺がなくなった場合、僧侶は同じように廃業せざるを得ません。

「お坊さん便」には、僧侶を救済する意味合いもあるということです。

 

しかし、このように、忌み事の慣習を合理的にすることが、

正しい道なのかどうか、わたしは答えを見つけられません。

いくらカジュアル化がすすんでも、

宗教には、守るべき威厳があると考えるからです。

 

ひとつ気になるのは、宗教法人でもない「よりそう」が、

実際に、模擬的な宗教儀式に関わることの是非に関して、

検討されたことがあるのかどうかということなのですが…。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。