さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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贋物を返品できるか

 

よしをです。

 

所詮、骨董蒐集は、贋物とのいたちごっこなのですが、

一般の商品のように、クーリングオフできるかどうか、

非常に微妙なテーマについてお話しします。

 

骨董といえども、普通の商取引と変わらないので、

商品にキズがついていた場合、それが店側の責任であれば、

一般の商品と同じように全額返金できるのではないか…。

 

しかし、古物には、元々何らかのキズがついている可能性があるので、

返品・返金は難しいのではないかと考えています。

つまり、キズが店側の責任であるという、立証が難しいのです。

骨董を購入する場合は、購入側が、実際に目にし、手に取り、

キズや経年劣化も含めて、納得したうえで購入する、

という暗黙の了解があります。

 

それでは、キズではなく、贋物の場合はどうなるかといえば、

キズと同様、真贋の判断も購入する側にある、という暗黙の了解があります。

業者は、ほとんど断定することをしません。

わたしの経験でも、

「これは、間違いなく、その時代の作品である」、

と断言する(できる)業者は、ごく少ないと感じています。

 

贋物であることの証明が難しいという問題もあります。

鑑定書があるような作家物の作品はともかく、

古物の鑑定に関しては、公的機関は存在しないのです。

真贋の鑑定については、

信頼度の高い(この部分も主観的なのですが)業者から、

アドバイスを受けるという方法がありますが、

この鑑定結果を元に、購入元(別の業者)と交渉するのは、ルール違反です。

したがって、購入者自ら、贋物である明確な理由をあげて、

購入元の業者と交渉することになりますが、

困ったことに、返品・返金の交渉によって、

当該の骨董業者との関係は、おそらく悪くなります。

業者は、仕入れをキャッシュでおこないますので、

返金によって、キャッシュが出ていくことを嫌がります。

また、あきらかに贋物を売ろうとする悪徳業者は別として、

悪意のない業者については、相手もプロとしてのプライドがありますから、

客(シロウト)から、贋物の指摘を受けることは、心理的に耐えられません。

したがって、このような交渉により、

今後、店との人間関係がうまくいかなくなることも覚悟しなければなりません。

 

間違ったものを売りつけておいて、返品を申し出ると不快になるとは、

とんでもない話だと思います(わたしも、書いていてそう思います)が、

これが、骨董業界のルール、というかマナーなのです。

 

わたしは、店と真贋を争ったことは、ほとんどなく、

その業者に対しては、黙って距離を置くようにしています。

骨董業界のイヤな一面です。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。