さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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贋物との終わりなき戦い

よしをです。

 

骨董を買う場面では、

常に、贋物をつかまされる危険を、想定しなければなりません。

騙されないためには、

いろんなモノ、とりわけホンモノをたくさん見ることが重要です。

とはいえ、いくら勉強しても、世の中には、きわめて巧妙な贋物があるし、

プロ並みの眼力をつけるまでには、相当な経験が必要です。

 

いよいよ骨董を買う段になると、

少し冷静になって、贋物を疑ってみるのが基本だということは、

理屈ではわかっていても、なかなか実践できないもので、

欲しいモノに出会うと、どうしても目が曇りがちになります。

 

家に持ち帰り、冷静になって、あらためて確認すると、

いろいろ疑問点が浮かんできます。

こういった場合、実は、買う直前まで、

買いたい欲望と、贋物を疑う気持ちのせめぎ合いがあり、

少しの疑問を残しながら、欲望に勝てずに購入していたりします。

 

案の定、疑惑はますます深まり、

懇意の信頼できる店主に見てもらったり、

自分でダメな理由を発見したりして、

ようやく贋物を買わされたことがわかり、大いに落ち込んでしまう。

 

「だから、やめようと言ったのに(第2の心の声)」

眼力のない蒐集家の悲しい性です(涙)。

 

しかし、これが骨董の魅力であり、魔力であり、

骨董が病気であるといわれる所以なのです。

 

骨董店に行って、店主の人柄に触れることも重要です。

しかし、誠実そうな人にみえても、

売り物が贋物ばかり、という場合もあります。

骨董は、生き馬の目を抜くような世界で、

最初から客を騙そうとして、舌なめ釣りしているような店主もいれば、

人柄がいいだけで、真贋の眼力がまったく、という人もいるわけで…。

 

ある骨董店主と話をしていて、こんなアドバイスを受けました。

 

自分では、古美術について、相当勉強してきたという自覚があっても、

決して表に出してはいけない。

プロが、真剣勝負のなかで積み上げてきた知識や経験とは、

比べようもなく、勝負にならないからだ。

例えるなら、

竹刀による剣道の試合と、真剣による切り合いの違いのようなものだから。

 

いやいや、すごい世界で…。

 

悪い店のカモになりやすいのは、2つのタイプがある。

ひとつ目は、

受験勉強で勝ち抜いてきたエリートに、よく見られるタイプだ。

自分が得た知識や蘊蓄などを披露すると、

「お若いのに、よくご存じで」、などと、骨董商におだてられて、

まんまと騙されて、高価な品や贋物を買わされるパターンだ。

「自分は、初心者だから、教えてください(商品を少しづつ買うという意味)」

といった謙虚さで接すれば、うまくいくはずだが…。

 

ふたつ目は、裕福な年配の初心者だ。

その人が、会社の社長や重役をしているなど、

ビジネスの世界の経歴や、年功序列は、骨董の世界では通用しない。

ちやほやされたいとか、誉められたい、経済力にかまけて威張るなどの、

心の隙が、贋物をつかまされるきっかけになる。

 

けっして裕福な年配ではないですが、

耳が痛い…。

 

骨董の世界は、わたしの経験では、「本当にいい人」というのは、

ほとんどいないと思うのです。

定価のない商品に、どうやって付加価値をつけて、高く売るのかが、

骨董商のビジネステーマですから、

口八丁で客を納得させるテクニックが必要なのです。

 

わかっちゃいるけどな~(汗)。

 

これまで、すいぶん贋物をつかまされてきました。

謙虚であることが、骨董蒐集においても重要な資質であると、

今更ながら考えさせられます。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。