少年ジャンプの時代
よしをです。
漫画全盛期を知っているわたしとしては、
昨今の漫画雑誌の減刊には、心を痛めています。
長らく、少年漫画雑誌の頂点にある、少年ジャンプですら、
発行部数を減らしているといいます。
1980年代後半から、1990年代にかけて、
漫画週刊誌は全盛期を迎えます。
なかでも、少年ジャンプは、最大の発行部数を誇り、
その人気は、社会現象になりました。
1968年に創刊した、少年ジャンプは、
当時では、画期的だった、読者アンケートを取り入れ、
読者の評価によって、連載作品を選別し、
積極的に新人作家を登用するなど、時代の最先端を走ってきました。
1995年には、週刊誌で653万部という、史上空前の発行部数になり、
この記録は、ギネスブックにも登録されています。
しかし、この年以降、部数は減り続け、現在に至ります。
少年漫画雑誌の週あたりの発行部数の推移は、以下の通りです。
●少年ジャンプ (1995年) 653万部⇒180万部
●少年マガジン (1995年) 453万部⇒84万部
●少年サンデー (1983年) 228万部⇒30万部
●少年チャンピオン (1979年) 250万部⇒20万部
※表記は、(ピーク年)⇒(直近)
業界最強のジャンプですら、ピーク時の発行部数に比べて、
約20年間で、70%以上の落ち込みになっています。
昨今の発行部数の減少は、
少子化、ゲーム人気、モバイルの普及が、原因としてあげられています。
とくに、子どもが減っている現在では、
ある程度のマイナスは、いたしかたないところですが、
潜在的なマーケット以上の落ち込みを示しているのは、残念です。
ソフト自体に、魅力がなくなっているのでしょうか?
もし、そうであれば、作家の力が落ちてきているのかもしれません。
あるいは、働き方改革によって、
漫画作家のブラック労働が、若者から、忌避された結果なのでしょうか。
部数が減れば、当然、作家への配分も少なくなりますし、
作家にとって、大きな収入である、
単行本が、売れなくなっています。
漫画に、「一攫千金」の夢がなくなってしまったのかもしれません。
いずれにしても、このままでは、
日本の漫画文化が、衰退に向かっていくことは間違いないと思います。
さて、どんな対策がありますか…。
漫画は、政府が推進している、「クールジャパン」の重要コンテンツです。
とくに、人材育成の場としての、
週刊少年漫画の復活に、期待したいと思います。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。