日本の未来はWOWWOW(×2)
よしをです。
参議院選挙も近いということで、今回は、少しポップなタイトルでお送りします(笑)。
日本の国政選挙には、衆議院と参議院それぞれで、比例代表制が導入されています。
小選挙区選挙では、大政党が有利だといわれていて、
比例代表制の利点は、死票を少なくし、少数意見を反映しやすくするという点にあります。
中選挙区制の参議院選挙に比例区が採用されているのは、個人的に疑問ではあります。
それにしても、日本の比例代表制の仕組み自体が、よくわからないという声がきかれます。
たとえば、比例代表制における、政党別の当選者の割り当てについては、
ドント式という方式が、採用されているのですが、正直なところ、うまく説明できません。
比例代表選挙の仕組みを簡単に説明したいと思います。
衆議院選挙には、拘束名簿式が、参議院選挙には、非拘束名簿式が採用されています。
どういう意味かというと、
衆議院では、比例代表の投票用紙には、「政党名」のみを記入して投票しますが、
参議院では、「政党名」または「候補者名」のどちらかを記入して投票するということです。
つまり、衆議院では、あらかじめ当選順位が決められていて、
政党への投票数で、上位から順に、当選者が決まりますが、
参議院では、投票の形態からもわかるように、政党名に加えて、個人票が反映されるので、
事前に、当選順位が決められていません。
この選挙制度が、参議院の比例代表に、どのような影響を及ぼすかといえば、
与野党限らず、有名人や芸能人が、多く選ばれる可能性があるということです。
比例区の投票では、政党ではなく、なんとなく、有名人の名前を、
たとえば、「アントニオ猪木」とか、「谷亮子」などと書いてしまう人が、
一定数出てきてしまうわけです。
芸能人やスポーツ戦選手が、国政選挙に出馬すること自体は否定しません。
かれらは、特殊なプロフェッショナルの世界で活躍してきたわけですから、
一般人とは異なる視点や、問題意識をもっていることもあるはずです。
しかし、大前提として、かれらが、どんなオピニオンをもっているのか、
そして、日本の政治にどう関わっていきたいかについては、
有権者として、知っておく必要があります。
政治家としての、説得力のあるコミットメントの表明がなければ、
いくら有名人でも、選挙区で当選することは難しいでしょう。
しかし、比例区であれば、
選挙活動など何もしなくても、ただ有名人だというだけで、当選するかもしれません。
「消費税反対」とか、「子育て支援」など、実現の裏付けもない、適当な美辞麗句を並べて、
少しだけ街頭に立って、テレビで放映してもらえば、
そのパブリシティ効果だけで、当選してしまいます。
もちろん、そんな候補に投票する人がいることが問題なのですが、
これが、多くの「まともな」選挙民が、不愉快に思っていることなのです。
今回の参議院選挙への出馬が予定されている、
元アイドルグループ出身の女性タレントへのバッシングは、当然の反応でしょう。
政治家に学歴は関係ありませんが、少なくとも政治家を目指す人には、
国政に関わりのある特別な活動をしてきたとか、勉強をしてきたなど、
ある種の説得力が求められるのは、当然のことです。
彼女には、子どもがたくさんいるシングルマザーという以外に、
政治家として、理想を実現するための、熱意や具体策があるのかどうかが問われています。
かつて、現職の元アイドルの女性議員は、
今後の国政への関りについて、「これから勉強します」と答えました。
そのときも、さすがに、これはあり得ないと呆れましたが、
今回の、この女性候補も、
当選の暁には、同じような経緯をたどることになるだろうと思ってしまいます。
これはもう、選挙制度自体に問題があるのではないかと、考えざるを得ません。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。