さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

起業とか資格とか。趣味や思い出話など いろいろランダムに

お稲荷さんは祟るか

よしをです。

 

日本でもっとも多くみられる神社は、稲荷神社で、

全国で3万社あるといわれています。

そのほか、神社には、八幡神社(1.5万社)、天神社(1万社)がありますが、

稲荷神社は、群を抜いて多いのです。

 

稲荷信仰は、京都にある伏見稲荷が総本山です。

5世紀頃、渡来系の秦氏氏神として祀ったのが由来とされています。

やがて、全国に稲荷信仰が広がり、

民間信仰と混同して、山の神、食べ物の神とされます。

平安時代には、仏教と習合し、

この頃から、狐が稲荷の使いとして定着したようです。

 

江戸時代になって、江戸の周辺には狐が多く生息していたことから、

稲荷信仰と結びつき、

福の神として祀られるようになったのが、江戸の稲荷神社です。

江戸の町では、路地ごとに稲荷が祀られていました。

 

稲荷信仰には、神道系、仏教系の2系統があります。

神道系は、伏見稲荷を本山とする、本来の秦氏系の神社です。

こちらは、諸説ありますが、

宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)や、

豊宇気毘売命(とようけひめのみこと)など、

記紀に登場する、豊穣を司る神を祀っているといわれます。

 

愛知県に本山がある豊川稲荷や、岡山県最上稲荷は、

神社ではなくて寺院です。

豊川稲荷に祀られているのは、

インド由来の女神「だきにしん(ダーキニー)」です。

女神ダーキニーは、ジャッカルの背に乗っているのですが、

日本にはジャッカルがいないため、姿が似ている狐になり、

狐を眷属とする稲荷神と、同一視されました。

ダーキニーは人の死期を知り、

死ねばその神像を食らうという、荒ぶる神でしたが、

のちに、破壊神シヴァ(大黒天)に調伏され、仏教に帰依しています。

 

お稲荷さんは祟るという言い伝えや、

稲荷を祀れば三代で家がつぶれるという言葉もあります。

 

関東大震災と第二次大戦により、

町じゅうにあった稲荷社は、ほとんど姿を消してしまいましたが、

江戸、東京の町には、かつて、路地ごとに稲荷神社がありました。

火事や事故が起こると、すぐ近くに稲荷があるわけですから、

近くの住民と稲荷の間に、

なにかの因果関係があったと想像することも多かったでしょう。

これらの不幸や不運はすべて、「お稲荷さんの祟り」のせいにされ、

それがいつしか、

「稲荷は祟る」という俗説につながったのだと思います。

 

また、狐への信仰が、犬神信仰と結びついたという説もあります。

犬神信仰といえば、横溝正史の「犬神家の一族」を想起しますが、

これは、おもに岡山や四国で信仰されている俗神です。

犬神は進行すれば財をなすことができるが、

見返りに血を求めるとか、

ないがしろにすると、末代まで祟るともいわれていますから、

かなり強面の動物神です。

 

ちなみに、狐がいないため、犬神の本拠は四国だといわれています。

狐と犬は、ライバル関係ということでしょうか。

個人的には、狐に凶暴なイメージはありませんが…。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。