金縛りの真実
よしをです。
「金縛り」とは、もともと仏教用語で、
不動明王が賊を身動きできないようにする
、密教の「緊縛法」という修法に由来します。
多くの人が、就寝中に、体が動かなくなるという体験をしています。
金縛りは、10代から20代の若い頃に始まり、経験者は、女性にやや多く、
頻繁に症状を呈する場合もあり、
金縛り家系といった、体質遺伝の報告もあります。
わたしの知り合いにも
、三世代にわたって、金縛り経験があるという人がいます。
体験者によると、かなり長時間に感じることもあるといいますが、
金縛りの症状は、数分程度で、自然に治まることが多いようです。
枕元に人がいるような気配を感じたり、
人影が見えるなどの現象も報告されていますが、
それらの幻覚体験は、体は動かないのに、意識があり、
目覚めているために、起こる現象だといわれています。
金縛りの特徴は、筋肉に力が入らず、体が動かせないことにありますが、
実は、これは、特別な状態ではありません。
筋肉の脱力は、毎晩、眠っている間に、だれもが体験している正常な現象で、
普段は、眠っているので、筋肉の弛緩に気が付かないだけなのです。
わたしたちは、就寝中、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しますが、
寝付いてから1~2時間でレム睡眠になり、
一晩に3~5回、その周期を繰り返します。
一回のレム睡眠は20分ほどで、明け方になるにつれて時間が長くなります。
このレム睡眠に、金縛りが発生するメカニズムの秘密が隠されているのです。
実際に、金縛りの実験もおこなわれています。
寝入りばなに、うとうとした状態でレム睡眠に入ると、
金縛りが起きやすいという報告があり、
実験によると、明け方の長いレム睡眠が出る前に、
被験者を強制的に起こしてから二度寝をさせると、
金縛りになる確率が高いというデータが得られました。
眠りが浅いために、レム睡眠で脱力した状態で、目を覚まし、
金縛りを自覚してしまうのです。
オカルトロマンを壊してしまうようで、少々興ざめしますが、
金縛りのメカニズムは、科学的に証明されているようなのです。
それでは、事故物件の超常現象や、幽霊が出やすい家というのを、
どう説明するのかということですが、
科学の立場では、ほとんどが、自己暗示によるものだといわれています。
不動産仲介の場合
、事故物件など、忌避条件について、借主に伝える義務があります。
そのような情報をインプットされるために、
自己暗示によって、金縛りや幻聴、幻視が発生しやすいということです。
ただ、それだけでは説明できないケースもあると思うのですが…。
すべてが科学的に解明されてしまうというのも、残念な気もします。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。