乱立するLCCと日韓問題の余波
よしをです。
この頃は、LCC(ローコストキャリア)が、雨後のタケノコのように増え、
空港に、見たこともない航空機が止まっていたりします。
国内の空港では、とくに、中国、台湾、韓国のLCCが増えています。
これまで、韓国では、チェジュ航空、ジンエアー、ティーウェイ航空、
6社のLCCが就航していましたが、
今年になって、フライ江原、エアプレミア、エアロケイという3社に、
航空事業の新規免許が発行され、
なんと、韓国は、合計9社ものLCCが乱立する状況になりました。
これらのLCCが注力しているのは、日本の空港への就航です。
日本と韓国の間では、航空自由化協定が締結されていて、
(羽田~金浦空港)以外のすべての路線について、
制約なしに、路線を開設できるため、
韓国のLCCは、日本の地方路線を攻撃的に開設してきました。
その一方で、LCCとの価格競争によって、
財閥系のアシアナ航空は、2018年の平均稼働率が50%を切るなど、
低迷が続いています。
あきらかに供給過多の状態です。
アシアナでは、事故や整備不良事例の多発に加えて、
顧客のマイレージポイントをめぐる、不適切な経理が発覚するなど、
経営基盤の弱体化や、モラルの低下が顕著であり、
先日、親会社のクムホグループは、アシアナ航空の売却を発表しました。
日本と台湾を結ぶ便は、韓国との協定より前に、
航空自由化協定が、締結されていていました。
日系、台湾系など、複数のLCCが入り乱れて、価格競争がおこなわれた結果、
現在は、日台間のLCC便は、
ピーチ、バニラ、ジェットスター、エアアジアの4社に、集約されています。
したがって、韓国の格安航空会社についても、
今後、自然淘汰がおこなわれるだろうとみられていました。
しかし、現在の航空業界には、別の要素がクローズアップされています。
昨今の日韓関係の悪化により、
韓国の航空会社事情は、大きく変わりつつあるのです。
昨年は、アシアナ傘下のエアソウルが、高松、静岡、長崎便を減便しました。
今年に入って、7月には、松本便が減便になり、
ティーウェイ航空は、今年9月から、熊本、佐賀便の運休を決定しました。
今後も、地方空港を中心に、LCCの就航縮小は続いていくことでしょう。
航空会社というのは、「突然死」する傾向があります。
昨年は、ヨーロッパだけで、8社のLCCが倒産しました。
航空需要が急激に悪化して破綻するケースや、
資金調達の遅れによる倒産が多かったようですが、
昨今の日韓関係の悪化は、
それでなくとも過当競争状態にある韓国の航空会社に、
とどめの一撃となる可能性が高いと考えています。
同時に、日本国内の地方空港の破綻も…。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。