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蘇る白波五人男

よしをです。

 

江戸時代末期、

「白波物」といわれたジャンルの、

歌舞伎の演目が流行しました。

「白波」とは、すなわち盗賊のことなのですが、

もっとも有名な演目は、

狂言作者の河竹黙阿弥の名作、「青砥稿花紅彩画」です。

「青砥稿花紅彩画」は、鎌倉時代を舞台にした盗賊物語で、

通称、「白波五人男」とよばれています。

 

白波五人男は、

東海道をまたにかける大泥棒の、日本駄衛門を主格に、

孤児で、女装が得意な、弁天小僧菊之助

「餓鬼のころから手癖が悪く」のセリフでお馴染み、忠信利平、

武家の小姓が悪童になった、赤星十三郎、

漁師あがりの乱暴者で、船を操るのが上手な、南郷力丸、

以上の5人のメンバーで構成されています。

 

ふとしたきっかけで、日本駄衛門の元に、4人が集結し、

大店の浜松屋を恐喝して、金をせしめます。

その晩、ふたたび浜松屋に強盗に入ると、

松屋の主人が、弁天小僧の父親で、

松屋の息子が、

日本駄衛門の実子だという事実がわかり、

その深い因果に、かれらは呆然としてしまいます。

 

ついに、五人組は、追われる身となって、

やがて、包囲され、決死の覚悟で暴れるのですが、

立ち回りになる前に、最高の見せ場があります。

五人男は、桜が満開となった舞台に登場すると、

一人ひとりが決め台詞を発して、見えを切ります。

 

たとえば、日本駄衛門の場合は、

 

問われて名乗るもおこがましいが、生まれは遠州浜松、

十四の歳から親に放たれ、身の生業も、

白波の冲を越えたる、

夜はたらき、盗みはすれど、非道はせず、

人に情けを掛川から金谷をかけて宿々で、

義賊とうわさ高札に、廻る配布のたらい越し、

危ねえその実の境界も最早四十に、

人間の定めはわずか五十年、

六十余州に隠れのねえ、義賊のかしら、日本駄衛門。

 

となります。

 

なんとか捕手の手を振り切って、

五人はバラバラに逃げますが、

弁天小僧は、

鎌倉の極楽寺の山門の屋根に追い詰められて自害し、

南郷、赤星、定信も捕縛され、

日本駄衛門は、

名奉行の青砥藤綱に捕らえられてしまいます。

ストーリーは、そこで終わっていますが、

全員、獄門にかけられたことでしょう。

 

五人組の活劇は、

男児向けのヒーロー戦隊物などに、姿を変えて、

現代に、継承されています。

科学忍者隊ガッチャマン」や、

秘密戦隊ゴレンジャー」などは、

まさしく、現代に蘇った、白波五人男です。

 

「五人そろって、ゴレンジャー」の名乗りポーズは、

間違いなく、白波五人男の「アレ」でしょう。

 

もっとも、最近の戦隊シリーズは、

ヒーローは6人組とか、7人組だったりするようで…(汗)。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。