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サムライ債とは

よしをです。

 

サムライ債とは、

外国企業が日本で発行する円建て債券のことで、

いつしか、サムライ債と呼ばれるようになりました。

なぜ、「サムライ」なのか、よくわかりませんが、

日本を想起させるということでのネーミングなのでしょう。

 

先日、韓国企業のハンファケミカルという化学会社が、

日本における、サムライ債の発行を、

断念したというニュースがありました。

10月中を目標に、

200億円規模の債権発行を目指していましたが、

資金調達のメドが立たず、

計画を白紙化したということなのですが、

これは、昨今の日韓関係の悪化以後、

韓国企業が、日本での資金調達に失敗した、

初めてのケースになるのだそうです。

 

今後、ハンファケミカルは、ドルやユーロ建て債券の発行など、

別の方式で、資金を調達すると予想されていますが、

   ハンファケミカルの失敗を機に、

韓国企業の円資金調達が難しくなるのではないかという懸念も、

韓国経済界では、広がっているようです。

 

サムライ債は、韓国企業にとって、重要な資金調達ツールです。

そもそも、日本の超低金利は、

他国の債券市場と比較して、圧倒的に有利であることに加え、

韓国企業が、決済通貨であるドルを入手するために、

活用されてきたという意味が大きいのです。

 

要するに、サムライ債は、

通貨スワップの代替として、利用されているのです。

 

日本の場合、円をドルに交換することに、ストレスは感じません。

東南アジア諸国との貿易では、円で決算することも可能ですし、

日本円は、ドルでもユーロでも、世界中、どこの金融機関でも、

無制限に両替してもらえます。

しかし、ウォンは基軸通貨ではなく、信頼性が低いため、

韓国企業は、

自国通貨で、国際的な決算をすることができないのです。

 

韓国企業が国際決済する際には、

ウォンを、ドルやユーロと交換して、

支払わなければなりませんが、

大量のウォン通貨は、

どこの金融機関でも、両替してもらえません。

 

困ったことに、日本の金融機関は、

韓国企業に対して、円ウォンの両替を、何の担保もなく、

ほぼ無制限に認めるという、優遇措置を設けています。

韓国企業は、サムライ債によって、ウォンを一旦、円に両替し、

円でドルを買うことで、国際通貨をフリーで調達できるのです。

 

韓国企業がおこなっているのは、自転車操業のようなもので、

債権を発行して、償還時期になると、

他から資金を借りて返すことを繰り返しています。

これを、ロールオーバーといいます。

 

当該の、韓国企業の業績が順調に伸びていけば、

借金は、いつか清算できますから、

大きな問題にはなりません。

しかし、企業の収益が悪化したり、信頼度が低下すると、

貸し手もリスクが大きくなるため、

ロールオーバーがつながるかどうか、微妙になってきます。

あるいは、投資家をつなぎとめるために、

金利をアップすれば、

資金は集まりやすくなりますが、借金が増え、

さらに信頼度が下がるという、悪循環になる危険もあります。

 

ハンファの債権発行が、目標金額に到達しなかったのは、

ハンファ自身の与信問題なのか、

それとも、日韓関係悪化による、

日本の投資家の忌避のせいか、

あるいは、金融機関に日本政府の指導が入ったのか、

残念ながら、資料がないので、よくわかりません。

 

最近では、産業銀行、輸出入銀行、現代キャピタルといった、

官製銀行や、財閥系の銀行のほかに、

韓国石油公社大韓航空などの、社会インフラ企業が、

合計3000億円以上のサムライ債を発行しています。

今年の年末には、

新韓銀行、KTなど6社が、サムライ債の満期を迎え、

これらの償還規模は、1750億円になるということです。

苦境が伝えられている航空業界にあって、

大韓航空ロールオーバーは可能なのかどうか、

注目したいところです。

 

日本のメガバンクの、韓国国内での貸付額は減少傾向です。

現段階では、

資金の大幅引き上げなどの異常現象はないようですが、

日韓関係が、最悪の状態にあるなか、

もし、韓国企業が、デフォルトの気配をみせれば、

日本政府が介入して、救済に回ることも考えられないため、

メガバンクをはじめ、日本の金融機関は、

躊躇なく、撤退すしてしまうでしょう。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。