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韓国人はイザベラ・バードをどう評価しているか

よしをです。

イザベラ・バード・ビショップ(1831~1904年)は、
世界中を旅したイギリスの女性旅行作家で、
日本には1878年に、その後は中国、朝鮮にも旅行し、
数々の紀行文を上梓しました。

朝鮮には、
日清戦争東学党の乱がおきる前年(1894年)から、
大韓帝国が成立する1897年まで、
3年間にわたって、計4回訪問しています。
イザベラは、著書「朝鮮紀行」のなかで、
首都ソウルについて、このような感想を述べています。

道は、牛がすれ違えないほど細く、迷路のようで、
土埃がひどくて、雨後は膝までぬかるみ、
でこぼこの地面や、突き出た岩の上を、轍が通っている。
民家から出た汚物で、町中は悪臭がひどく、
芸術作品とよべるものは何もなく、
古代の遺跡もわずかで、図書館も文献も寺院もない、
と、記述しています。

イザベラは、
「ソウルこそ、世界で一番不潔な町だ」、と評しています。
(のちに中国を訪問し、ソウルよりさらに酷いと語っていますが)。
このように、自国を酷評するイザベラを、
韓国人や韓国の研究者は、どう評価しているのでしょうか。

実は、イザベラの紀行文は、かれらのお気に召さないようです。
朝鮮紀行」には、オリジナルの英語版と内容が異なる、
韓国語版があることがわかっています。
この本は、1997年に延世大学から出版されているようですが、
内容が、かなり改竄されているという指摘がされています。

また現在、全世界で出版されている、英語版の「朝鮮紀行」には、
イギリスの出版社が発行したものと、
韓国の出版社が出版したものの、
内容の異なる、2種類の本があるそうで、
韓国版のほうのオリジナルは、延世大学の英語版だと思われます。

韓国版では、その記述に、
たとえば、当時のソウルの町に関して、
「町は近代化されていて、東洋一きれいな都市である」、などと、
イザベラの描写と、まったく正反対の内容が書かれていたり、
「日本軍が朝鮮を支配し、建物をどんどん壊していった」、など、
事実無根の描写が、含まれているといいます。

イザベラは、「日本紀行」において、
日本の治安のよさや、日本人の勤勉や親切を称賛していますが、
手放しで、絶賛しているわけではなく、日本人の容貌については、
「小柄でガニ股で、猫背で、胸がへこんで貧相」、などと、
かなり辛辣な感想も述べています。

しかし、日本では、イザベラの紀行文を改竄することは、
絶対にありません。
それは、彼女が残した紀行文は、事実の描写であり、
当時の西洋人が日本や日本人に対して抱いた感想は、
日本の歴史の財産でもあると考えるからです。
もしその記述が、われわれの意に沿わないものだったとしても、
オリジナルの原稿を改竄することは、絶対にいけないという、
常識や良心があるからです。

朝鮮紀行韓国版」の改竄は、文学作品や記録への冒涜ですが、
韓国では、文化や歴史の破壊行為に罪悪感はありません。
日本人には、到底信じがたいことですが、
それは、ファクトに対する、かれらの考え方とも一致しています。

歴史は、自らに都合よく書き換えても許されるし、
一旦交わされた条約も、そのときどきの民衆の感情で破棄できる、等々。

日本人とは、あまりにも感性が違います。

 


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