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ウイルスの孵卵器

よしをです。
SARSコロナウイルスやMARSコロナウイルス
そして、人類にとって最凶のエボラウイルスは、
いずれも、コウモリが自然宿主である可能性が指摘されています。

今回の新型コロナウイルス(個人的に武漢肺炎と呼んでいます)について、
複数の感染者から検出されたウイルスのゲノム(遺伝情報)の配列が、
コウモリのコロナウイルスと96%合致したという研究結果を、
カリフォルニア大学バークレー校の研究室が発表しました。

コウモリは、哺乳類の中にあって、特別頑強な免疫系をもっているそうです。
その強い免疫に対抗するため、ウイルスは、より強く進化します。
まるで薬剤耐性ゴキブリのようなものです。
コウモリは、より感染力と毒性の強いウイルスを増殖させる、
インキュベーター(孵卵器)の役割を担っているというのです。

カリフォルニア大学バークレー校は、
エボラウイルスと、マーブルグウイルスの疑似ウイルスを使って、
数種のコウモリと、アフリカミドリザルの細胞への感染の状況を調べたところ、
アフリカミドリザルの細胞が、ウイルスに圧倒されて死滅する一方で、
2種類のコウモリの細胞は、異物を排除する免疫作用が働き、
ウイルスの侵入を防ぎました。

同大学のレポートは、
多くのウイルスがコウモリに由来することは、偶然ではないとしています。
強い免疫力を有するコウモリは、自らの細胞をウイルスから守る一方で、
免疫との戦いによって、強化されたウイルスは、
コウモリの体外に出て、ほかの宿主を探します。
そして、他の動物に取り付くと、宿主に壊滅的なダメージを与えるのです。

エボラ出血熱の場合は、まだ不明なことも多いのですが、
やはり、原因はコウモリであるといわれています。
アフリカでは、コウモリを食べる食習慣があり、
たとえば、素手で調理したり、充分に加熱されていない肉を食して、
ウイルスに触れて、感染するのだといいます。

2015年、西アフリカにおけるエボラ出血熱流行の最初の犠牲者は、
ギニアの2歳の男児でした。
男児はよく、コウモリの巨大なコロニーであった木の洞で遊んでいたといい、
食肉を原因としないエボラ感染の例として報告されています。

エボラ出血熱の場合、コウモリが中間宿主であるのは、ほぼ確実ですが、
コウモリ以外の野生動物の捕食による、感染例も報告されています。
1995年のガボン発の大流行のケースでは、
エボラウイルスに感染して死んだチンパンジーの肉を食べたことが、
最初の患者の罹患原因であったと結論づけられています。

なんにせよ、悪いのはコウモリではなくて、
不衛生な環境が、強毒性ウイルスを人間界に持ち込む原因なのです。
病死したサルを食べたり、
2歳児を、ジャングルのなかで遊ばせる未開ぶりや、
野生動物に素手で触れ、ろくに手洗いもしないような、
中国をはじめ、後進国の食品市場の不衛生さをみれば、
誰だって、危険な疫病発生の可能性を予想できようというものです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。