さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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天使か悪魔か

よしをです。
フィリピンのロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領は、
法律家の父、母親は教員というエリート家庭に生まれ、
のちに父親のビセンテは、マルコス政権で内務省を務めました。
そのような厳格な家庭にありながら、
ロドリゴ少年は、10代の頃からケンカに明け暮れ、
刺傷事件で何度も刑務所に入ったこともある、不良息子でした。

ドゥテルテは、高校を2度、退学になったのち、
マニラにあるリセウム大学政治学部に入学し、
大学卒業後は、法科大学院で学び、難関の司法試験に合格します。
このころ、父親が亡くなり、ようやく発奮して勉強に励んだのですが、
もともと、頭はよかったのでしょう。
合格後は、ダバオの検察官として10年間勤務したのち、
政界に進出しました。

ドゥテルテは、1988年にダバオ市長に選出され、のちに下院議員となり、
ふたたびダバオ市長に返り咲きました。
ドゥテルテの剛腕のおかげで、ダバオは記録的な好況を呈し、
かれが実質的に組織する自警団が、
犯罪者を片っ端から殺しまくり、ダバオの治安は劇的に改善しました。
のちに、自ら証言したところによると、
ドゥテルテは市長時代、大型バイクで市内をパトロールし、
トラブルを探しては、犯罪者とおぼしき者を射殺して回ったとか、
強姦殺人容疑の中国人を、
ヘリコプターから投げ捨てて殺したこともあると語っています。
にわかには信じがたい話ですが、
ここまでくると、逆に清々しいほどの無法ぶりに、
思わず、笑いがこみ上げそうになります。

2016年に、ドゥテルテはフィリピン大統領選に勝利しました。
かれは大統領就任前から、麻薬撲滅を宣言しており、
国中に蔓延する、腐敗警官の対処についても、
超法規的殺人を肯定する考えをもっていました。
ドゥテルテは、大統領選のさなかから、
国内に300万人いるといわれる麻薬患者の一掃を主張し、
実際に、超法規的取り締まりによって、
麻薬犯罪者を5000人以上、殺害しました。

超過激な政策に対して、国際社会は警鐘を鳴らしていますが、
かれは意に介さず、一時、国連からの脱退も示唆しました。
また、ドゥテルテには、以前から反米傾向があり、
アメリカのオバマ大統領を、「売春婦の息子」と侮辱しましたが、
トランプ大統領とは、良好な関係を保っているようです。

ドゥテルテは、フィリピンの市民から、絶大な支持を得ていて、
2019年1月のデータでは、支持率は、なんと76%もあります。
長らく腐敗と犯罪の巣窟であったフィリピンが、
ドゥテルテの手腕によって、平和を取り戻しつつあるからです。

フィリピンの政治家は、例外なく、麻薬組織とつながっていて、
組織から賄賂を受け取るなど、癒着が横行していましたが、
ドゥテルテの退職後には、
そのような不名誉な事実は見つからないはずです。

昨年10月、ドゥテルテは、
重症筋無力症を患っていると明かしました。
もし、かれが大統領から退いたら、フィリピンがどうなってしまうのか、
多くの市民が心配しています。

ドゥテルテ大統領は、天使でしょうか、それとも悪魔でしょうか。
命がけで国を守ろうとする、かれの姿勢に対しては、
超法規的手法の間違いを指摘することすら、憚られるほどであり、
何にしても、かれの評価は、フィリピン国民のものです。


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