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ガラスの不思議

よしをです。
古代ローマ時代につくられたガラス製品や、
その後のササン朝ペルシア時代につくられたものを含めて、
ローマングラスといいます。

長い期間、ガラスが土中にあると、
ガラスの成分の珪素や酸化アルミなどが、
土中の金属と化学反応を起こします。
これをガラスの銀化といい、ガラスの表面に、薄い皮膜を形成します。
1000年、2000年と時代を重ねることで、
被膜が、雲母のように多重に積み重なり、
被膜の各層に光が当たると、独特の煌めきを発します。
これを構造色といいます。
一般的には銀色に輝くことが多く、まれに金色や黄色、
青と緑が混ざった、玉虫色のような発色をするものもあります。

コレクターは、経年によるガラスの変化を楽しむようです。
現代になって、人工的に銀化を作り出す試みがなされていますが、
今のところ、成功例はないといわれています。
その意味では、贋作の少ない領域であるかもしれません。

ローマングラスのブームの先駆けとなったのは、
「涙壺」と呼ばれる、小さな壺です。
古代ローマでは、夫を亡くした未亡人が、その命日に、
遺骨が入った石棺の穴に、涙を垂らすという風習がありました。
しかし、その場で涙が流れないとも限らないので、
それまで涙壺に溜めておいた涙を、石棺の穴に流したとされています。
あるいは、遺体と一緒に、石棺に納めるなど、
涙壺の風習は、イスラム社会や、西欧にも引き継がれました。

ガラスの製法には、吹きガラスと、型に入れて成型するものがあります。
吹きガラスの製法は、紀元前1世紀の古代シリアで確立されていて、
100年ほどの間に、メソポタミアからエジプトに広がりました。

日本でも、弥生時代古墳時代の遺跡から、
首飾りにしたものか、多くのガラス玉が発見されていますが、
これらはすべて輸入品で、国産ガラスの製造がスタートするのは、
飛鳥時代の7世紀後半になってからのことです。
以後、奈良時代には、寺院の装飾にもガラス玉が使われています。
この時代の日本でのガラス製作は、
ガラスの主原料である、石英(水晶)と鉛を、
「るつぼ」で溶解させて成型する方法で、
鉄や銅を加えて、青や緑に着色したものもありました。

これまで、ガラスは個体ではなく、液体だという説がありましたが、
現代の常識でいうと、
ガラスは、非結質個体(アモルファス)であるという説明が一般的です。
ガラスは不思議な性質をもっています。
結晶化せず、時間をかけて、液体のようにゆっくり流れる性質があり、
たとえば、古い時代につくられたガラス窓などは、
下の方が、少し分厚くなっているものがあるといいます。

そこまで時代のあるものでなくても、
昭和初期以前に建てられた古い家屋では、
表面が微妙に歪んだ窓ガラスや、
雰囲気のいい模様付きガラスなどを見ることがあり、
ときどき、アンティークショップでも、見かけることがありますが、
自宅のリフォームなどを目的に、
いざ、探してみると、なかなか見つからないし、意外と高価なものです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。