さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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PayPayとクレジットカード詐欺

よしをです。

 

ソフトバンクYahoo!が共同出資して設立した、

電子決済サービスPayPayが、第2弾の100億円キャンペーンを開催中です。

PayPayは、スマーフォンにアプリケーションをダウンロードし、

クレジットカードの情報を入力するだけで、決済できるサービスです。

 

当該の100億円キャンペーンは、

PayPayを使って支払いをした、買い物支払額のうち、

最大20%が、ポイント(PayPay残高)として還元されるもので、

さらに、支払い10回に1回の割合で、当たりが出て、

1000円以内のポイントとして還元されます。

 

前回のキャンペーンでも、悪質な行為やトラブルを散見しました。

たとえば、商品の購入と、キャンセルを繰り返して、ポイントを稼ぐ手口や、

最新の家電製品やゲーム機など、需要のある商品を大量購入し、

転売するというもので、

こちらは、ポイントと売値の差額を稼ぐ手段として、

おもに中国人などの、外国人詐欺集団に狙われました。

PayPayを使って購入して、ヤフオクで転売していたという、

笑えないような話もあります。

 

PayPayを導入した店舗では、

レジ前にQRコードが置かれているケースが多いですが、

今後、あたらしく発生する可能性のある犯罪として、

QRコードを別のものと入れ替えて、店に入るはずの代金が、

詐欺犯人の懐に入ってしまうというパターンが予想されます。

これは、まだ日本国内での被害報告はありませんが、

QRコード決済の流通が盛んな中国で、

実際に、多くの被害が報告されている詐欺行為で、

被害額は、年間55億円にものぼっているといいます。

 

ある人から聞いたのですが、

以前、初老の男が、ファミリーマートで、タバコを1箱づつ、

何度も繰り返し、レジで買っているのをみたそうです。

そして、一度は、男がレジ前で、ガッツポーズをしていたというのです。

 

この男が何をやっていたのかというと、

PayPayで、タバコを、毎回20%引きで買っていたということなのです。

そして、あえてまとめ買いするのではなく、1箱づつレジを通すことで、

10回に1回の割合で、全額戻ってくるくじを狙っていたのです。

ガッツポーズには、そういう理由があったのです。

 

前回のキャンペーンでみられた、悪用の手口については、

運営側も、対策を講じているようですが、

クレジットカード情報の不正利用は、根絶することが難しいようです。

どこかで流出したクレジットカード情報が、PayPayに登録され、

買った覚えがないのに、クレジットカードから支払い請求されるケースが、

多発しているといいます。

 

クレジットカードの不正利用の可能性は、PayPayに限りませんが、

PayPayの場合、ネットショップではなく、

直接店舗で商品購入できることや、

支払い時には、ほとんど本人確認もされていないという、

ずさんな運用の実態があり、狙われやすいとみられているようです。

 

個人がクレジットカード情報を盗まれないようにするためには、

ネットバンキングなど、ウェブ上での情報の取り扱いの注意が必要です。

あやしげな商品購入サイトに入力した、カード情報の流出や、

配送業者を騙って、不在通知に見せかけた、

ウイルスを仕込んだ添付ファイルを開かせる手口や、

いわゆるフィッシング詐欺といわれる、

メールに添付したURLリンクを、開かせる手口などがあります。

 

よくいわれていることですが、安易に添付ファイルを開かないことが大切で、

ネットにおけるクレジット情報の入力は、一旦、立ち止まって確認すること、

そして、なにより、ネット詐欺の手口を知ることを心掛けたいと思います。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

曇天のソウル

よしをです。

 

 

インドや東南アジアの大都市を抑え、

韓国・ソウルが、世界最悪の大気汚染都市になりました。

ちなみにワースト2位は、同じく韓国のインチョンです。

大気汚染の原因は、

現政権が推進する脱原発政策により、増設や稼働強化された火力発電所

気流の問題や、中国からの汚染物質の飛来、

暖房につかわれるオンドルの燃料や、粗悪なガソリンの使用、

規制の甘いディーゼル自動車の普及など、

複合的な要素がからんでいると思います。

また、政府の経済政策により、韓国は電気料金が極端に安いため、

市民や企業の省エネ意識が、希薄であるともいわれています。

 

大気浄化のためには、まずは主な原因を解明し、

具体的な対策を講じるべきなのですが、

この国では、そうはなっていません。

 

2016年には、大気汚染の原因は、

鯖の塩焼きの煙が原因であるというトンデモ説を、

政府が、公式に発表したこともありましたが、

最近では、汚染の原因が中国由来のものであると、

化学的な根拠も示さないまま、外相が断定しました。

さすがに、中国政府も怒っています。

 

場当たり的に、人工降雨にもトライしましたが、

韓国に、そんな技術はありませんから、案の定、失敗したりしています。

そして今度は、韓国環境部(省に相当)長官が、緊急記者会見を開き、

ソウル市内の屋外に、一定間隔で、空気清浄機を設置して、

PM2.5を削減する計画があると発表しました。

 

技術が開発されれば、空気清浄機1台あたり1000~2000万円になり、

空気の浄化とともに、国内経済や輸出にもプラス効果があるだろうと、

都合のいいことをいっていますが…。

 

どうやら、技術はまだ、確立していないようです…(哀)。

 

それはそうでしょう。

日本にも、そんな技術はありません。

効果があるかどうかもわからないのに、

見切り発車で、設置計画をすすめるつもりなのでしょうか。

こんな小学生が考えるようなことを、

堂々と、国の政策としてすすめるつもりなのですから、

驚きを通り越して、呆れてものがいえません。

 

ちなみに、昨年1月には、中国・西安に、

高さ100メートルの空気清浄タワーができたそうです。

タワーの下部に巨大な温室があり、温室に吸い込まれた空気が、

太陽熱に温められてタワー内部を上昇し、

上昇する過程でいくつかのフィルターを通って、

浄化される仕組みだそうです。

 

まだ実験段階とのことですが、

昼間の運行時には、大気の熱エネルギーのほかに、

外部エネルギーをほとんど必要しないシステムだそうですから、

もし完成すれば、夢の装置ですね(棒)。

中国メディアによれば、タワーの設置後、

周辺10キロ平方メートルの、PM2.5濃度が15%低下したといいます。

一方で、周辺の住民からは、

まったく改善の兆候がないという声も聞かれますが…。

まるで、あらたな環境詐欺の手口のようです。

 

実験が成功すれば、500メートルのタワーを建設し、

中国全土に設置する構想もあるということですが、

個人的には、中国の科学技術など、信用しません。

 

韓国では、外交しかり、経済問題しかり、

今回取り上げた環境問題に関しても、

解決能力や当事者意識が、完全に欠如しています。

「いずれ、誰かがやってくれる(もしくは、全部他国のせい)」

そう考えているのでしょうか。

末期症状です。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

 

パチンコに強力なライバル登場

よしをです。

 

 

以前にもお伝えしていますが、パチンコは、実質的に私営賭博場です。

賭博場が、ほとんどの国内の駅前に存在しているというのは、

かなり異常な状態だと思いますし、

都会の一等地に、私営賭博場が堂々と並んでいるさまは、

言葉を選ばずにいえば、日本人として恥ずかしく思います。

 

しかし、このところ、パチンコ業界にも陰りが出始めています。

1994年に、3400万人いたというユーザーは、

最近では900万人を切るような状況で、

今後ますます、減少していくように思われます。

 

度重なる出玉(換金)規制が、業界に影を落としています。

昨年にも、ギャンブル依存症対策として、出玉規制が強化されました。

その結果、以前なら、1回の大当たりで2400個だったのが、

現在では、1500個に減らされ、換金性も低減されました。

 

パチンコの衰退の理由は、

もちろん、出玉規制の影響が大きいとは思いますが、

もうひとつの要素は、強力なライバルが現れたことだと考えています。

 

最近、コンビニエンスストアの、スナック菓子の売上が、

落ちていることをご存知でしょうか。

その理由は、スマートフォンです。

つまり、スマホを触るために、手に、油や塩をつけたくないということで、

若者が、スナック菓子を忌避しているのだそうです。

スナック菓子のあらたなライバルは、スマホだったというわけです。

 

パチンコの場合にも、意外なライバルが現れました。

それはFXです。

FXは、わざわざ外出しなくても、自宅で売買できますし、

勝負が極端に早く、エキサイティングなのです。

パチンコ屋で、数万円の儲けを得るためには、

丸1日費やさなければなりませんが、FXなら1分でOKです。

 

また、売買以外のコストに関しては、

多くのFX会社が取引手数料を無料にしていたり、

有料の場合でも、ごくわずかです。

ちなみに、FXはスマホでも売買できます。

 

パチンコの手数料率は、店によって少し差があるようですが、

およそ、10%程度だといわれています。

競馬で20%、宝くじなら50%が、胴元の懐に入りますから、

本来、パチンコは手取りの多いギャンブルだったのです。

しかし、FXは、さらにそれを上回る、割のいいギャンブルだといえます。

 

パチンコは、今や、高齢者や生活保護者、情報弱者のものです。

しかし、スマホ保有するのは、今や常識です。

これからは、情報弱者も、どんどん少なくなってきます。

(わたしは、スマホをもっているホームレスを見たことがあります)。

かれらが、より多くの情報に触れたとき、

パチンコには、もう、魅力を感じなくなる日が来るのではないでしょうか。

 

若者には可処分所得も少なく、

ゲーム性だけでいえば、スマホの無料ゲームで、充分楽しめます。

したがって、現在、900万人いる、パチンコのユーザーは、

これからも、年を追うにしたがって、

既存のファンを失って、じりじりと減少するとともに、

客単価も減っていくことは、間違いありません。

 

今後、パチンコ店は、櫛の歯を引くように減っていきますが、

パチンコ店の閉店によって、駅前の一等地の不動産がどうなっていくのか。

わたしは、こちらのほうに、断然興味があります。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

 

1法人1物件スキーム

 よしをです。

 

個人投資家が、複数の物件に投資しようとする場合、

普通は、投資家の収入に応じた額までしか、

借り入れをすることができません。

たとえば年収1000万円の会社員の場合、

不動産ローンを組めるのは、2億円が限度でしょう。

 

そのため、一部の悪質な投資家は、

融資を受けようとする度に、幽霊会社を設立し、個人ではなく、

法人への融資を引き出すという手法をとる場合があります。

それが、「1法人1物件スキームです。

法人A社を設立して、物件Aを購入し、

物件Bを購入するために、法人Bを設立するといったように、

いくつもの会社を設立し、

物件と法人を1対1で対応させて、次から次へと融資を引き出す手法です。

 

この手法によって、一般的な収入のサラリーマンが、

10社以上の会社をつくって、

20億円もの融資を受けているというケースもあるといいます。

早期リタイアを目指す人にとっては、

最短距離のスキームだといえますが、違法すれすれの手法であり、

後のちのトラブルの可能性を考えると、決しておススメできません。

 

法人が融資を受ける場合、

当人は、法人の連帯保証人になって借り入れをするのですが、

その債務は、個人の信用情報に、記載されないことがほとんどです。

当人の借入総額が銀行側からは見えないため、

あらたな会社に対して、次々と連帯保証人になっても、

新規の融資を受けられるのです。

 

このスキームは、融資を受けるためには有利であっても、

投資の優位性について、疑問を呈する専門家もいます。

たとえば、複数の法人を維持するための経費により、

投資効果が少なくなるなどの指摘もされています。

 

1法人1物件スキームでは、

金融機関を騙して融資を受けていると判断される危険性があり、

不実が認定されれば、銀行からペナルティが課される可能性もあります。

昨年から、大手の銀行各社では、

投資会社の役員や、住所を照合するなどの調査に乗り出しています。

それによって、幽霊会社の活用が認められれば、

あらたな融資の中止を通告されるケースや、

最悪、一括返済を求められる危険もあるのです。

つまり、融資を受ける際に、銀行との取り決めのなかで、

債務状況を示す書類に、重大な虚偽内容がある場合、

ただちに債務を弁済するといった規定が設けてあるからです。

 

1法人1物件スキームは、いわば禁断の果実です。

一歩間違えば、銀行からの取引が停止されるなど、

多大なリスクが伴う投資方法だということを自覚すべきだと思います。

 

わたしは、

人生を、このような博打に費やすべきではないと考えています。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

資格試験ブログ

よしをです。

 

資格試験の勉強をはじめるにあたって、

 

実際に、合格した人が、どんな勉強法で、どれぐらいの期間で、

どんなテキストや、参考書を使用していたのかといった情報は、

大変気になるところです。

わたしも実際に、資格合格者のブログをいくつか読んで、参考にしています。

 

しかし、ブログには、注意しなければならない点があります。

それは、その情報が、必ずしも、正しくない可能性があるということです。

誰しも、できるだけ効率よく、合格したいのはやまやまですが、

実際には、1年間勉強したのに、「〇日間で合格した」、とか、

専門学校に通って合格したのに、「完全独学で…」といった、

間違った踊り文句に、乗せられないようにしなければなりません。

 

ある資格ブログに詳しい人と話をしたところ、

ブログを書いている人の中には、

合格までのプロセスを偽っているだけでなく、

実際には、その資格をもっていないとか、

もっとひどいケースでは、受験すらしたことがないという、

悪徳ブログ主がいるというのです。

つまり、フェイクブログです。

 

しかし、ブログには、名前や顔写真は消してあるものの、

実際に、受験票や、合格通知書の画像がアップされています。

実は、それらは、友人などの合格書を拝借したものだというのです。

 

他人の合格通知書などを掲示することで、

いかにも、ブログの情報がホンモノであるかのように見せかけ、

「ギリギリ」とか、「独学」、「最短」などの言葉で煽って、

そこに掲載されている教本などの広告への誘導を図るというのが、

悪徳ブログ主の目的なのです。

 

すべての情報が、有害とは限りませんが、まずは、疑う姿勢が重要です。

わたしは、昨年、宅建に合格したのですが(合格証は掲示しませんが)、

やはり、勉強の参考にと、ときどきネット情報を見ていました。

そこには、「1か月で合格」、「完全独学」、「過去問だけで合格」などの、

扇情的なキャッチフレーズが踊り、

その中身といえば、合格できたからこそ、実感することなのですが、

どこからら引用して、ペーストしただけの内容や、

受験生をミスリードするような情報で、あふれていました。

勉強期間についても、

限られた天才、もしくは資格マニアのような人なら、

ひょっとすると、1か月で合格できるのかもしれませんが、

学習すべき項目の、ボリュームを考えると、

普通の人であれば、正直なところ、3か月で合格することは難しいと思います。

 

わたしの経験では、

勉強をはじめて、2か月が経過した時点で、

合格可能性は、50%以下しかないだろうと、危機的な予測をしていたので、

残りの40日間は、必死で勉強しました。

その結果、まさにギリギリの点数で、滑り込むことができたのですが、

試験の結果はともかく、法律や実務の理解度については、

自分のことながら、大いに疑問を抱いています。

それを考えると、宅建合格には、

最低でも、半年は必要だったのではないか、というイメージをもっています。

 

1日15分の勉強で受かるとか、

通勤時間などのスキマ時間だけで、合格できるとか、

そんな資格試験が、あるわけがありません。

合格を目指すなら、一日でも早くスタートするべきだし、

最低でも、自宅で2時間以上、勉強する覚悟が必要だと思います。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

ヤクザと貧困問題

 

よしをです。

 

指定暴力団組員の男が、

無料通信アプリLINEで使える、LINEスタンプを販売していたとして、

警察からの指摘を受けたそうです。

LINEスタンプを制作、販売していたとされているのは、

住吉会系団体に所属する組員です。

スタンプには複数の種類があり、単発の男性の画像に、

「アニキと一緒です」、「本部です」、「若いのを行かせます」、

といったメッセージが、添えられているそうです(一度、見てみたい)。

インターネットビジネスが、暴力団のあらたなシノギになる可能性があるとして、

警察当局も、注目しているといいます。

 

LINE社では、スタンプの作成者が、反社会的勢力であることが判明した場合、

アカウントを停止するなどの処置をおこなうとしています。

この件についても、

調査のうえ、アカウント主が判明次第、適切に対処するとしています。

 

最近では、自らが暴力団組員であることを隠し、

郵便局でアルバイトをしていた60歳の男が、逮捕されるという事案も発生しました。

就業時に、反社会的勢力ではないという誓約書に嘘のサインをし、

アルバイト業務についたことが、詐欺罪に当たるというのですが、

わたしは、いくら相手がヤクザだとしても、

残酷すぎる仕打ちではないかと思うのです。

一般人であれば、アルバイトの経歴詐称ぐらいで、

詐欺罪で逮捕されることなどありませんから。

 

暴力団排除条例により、

各種契約で、反社会的勢力でないことを誓約することが一般化しています。

このことはつまり、暴力団に所属している限り、

ほとんどの合法的な経済活動も、シャットアウトされることを示しています。

 

国としては、不法組織を離れ、まっとうな市民に戻ることを訴えますが、

暴力団を脱退しても、生活に困窮する元組員が多いといいます。

かれらは、組を抜けても5年間は、銀行口座(つまり生活口座)の開設や、

自分の名義で家を借りることもできないのです。

親が暴力団に所属していれば、

子どもはおそらく、幼稚園や保育園の入園も断られるでしょう。

そのような厳しい状況では、

かれらを更生させようにも、無理があるのではないでしょうか。

暴力団員を擁護するつもりはありませんが、

合法的な仕事に就くことを拒絶したり、更生のハードルを高くすることは、

基本的人権の侵害ではないかと思うのです。

 

元組員だとわかっていて、雇い入れをしている会社も、一部あります。

法務省の協力雇用主制度を利用している会社も、それに当たります。

多くは、建設、運輸、水道工事など、いわゆるガテン系の会社ですが、

暴力団といっても、肉体労働に向いていない人もいるわけで、

2010~2017年に、警察の支援をうけて離脱した元組員4800人のうち、

就労者は3%未満という記録もあり(神戸新聞記事より)、

マッチングがうまくいかず、現実は、なかなか厳しいものがあります。

 

かれらの社会復帰のためには、

現実に即した、社会制度の整備や、リハビリ組織の拡充など、

暴力団員を、人として扱う温かさが必要なのではないでしょうか。

せめて、暴対法や暴力団排除条例が、

暴力団を、地下に潜ることを助長しないように望みます。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

六代目三遊亭円生

 

よしをです。

 

昭和の落語界において、

八代目桂文楽、五代目古今亭志ん生、六代目三遊亭円生の3人を、

名人として挙げることについては、異論はないでしょう。

 

わたしは、3人のうち、六代目円生が好きです。

まず、その声の美しさが魅力に挙げられます。

円生は、もともと義太夫語りであり、唄のうまさには定評がありました。

文楽のダミ声や、とくに晩年の志ん生の活舌の悪さと比較しても、

円生の声は、はるかに美しく、聴きやすく、

女性を演じることにも、秀でていました。

もっとも、女性に関しては、

「年増しか表現できない」といった厳しい評価もあります。

また、大阪生まれの円生の語り口は、

上方噺で、関西弁を自由に操ることができる反面、

江戸落語においては、正しい江戸弁のイントネーションではない、

という批判もあります。

ついでに、私見ですが、語尾を「飲む」癖や、息継ぎ(とくに晩年)、

左右に大きく振る所作は、円生の欠点だと考えます。

つまり、割合、欠点も多いのです。

 

2つ目の魅力は、そのネタの多さです。

円生のネタ数は、300を越えるといいます。

これは、かれの抜群の記憶力のなせる業で、

子どもの頃から、師匠と兄弟子の稽古をうしろで聴いていると、

すぐに、噺を覚えてしまったと、本人も語っています。

文楽は、すべてが十八番だと語っていますが、

持ちネタは20程度と極端に少なく、

志ん生も、ネタの数は多いほうですが、それでも、100未満でしょう。

 

3つ目は、情景描写の巧みさです。

円生の落語の特徴は、その写実的な表現方法です。

文楽志ん生が、おもに会話のやりとりや人間模様の面白さに、

重点を置いているのと比べ、

円生落語は、情景描写に注力し、講談に近い表現方法をとっています。

詳細な語り口で、江戸の風情を見事に表現し、

一幕の演劇を想像させるような、格調ある作品に仕上げています。

 

若い頃には、あまり評価されず、下積みが長かった円生ですが、

戦時中に、五代目志ん生らとともに、満州へ慰安に赴き、

生きるか死ぬかという極限に立たされたことで、

芸に凄みが生まれたといいます。

その後、円生は、万人が認める、昭和の大名人となりました。

 

晩年は、落語協会の分裂によって、

一門含めて、協会を脱退するという事態になりました。

協会脱退を機に、寄席での活動ができなくなり、

円生一門は、全国のホールや独演会に、活躍の場を求めました。

その後、円生は、千葉でおこなわれた、一門後援会の発足パーティで、

一席演じた後、心臓発作で倒れ、そのまま亡くなりました。

最期まで、芸に生きた人生でした。

 

立川談志は、円生を評して、「失敗の少ない噺家」という表現をしています。

つまり、いつ聴いても、円生の落語は、高いレベルにあるという意味で、

志ん生の高座に、出来不出来のバラつきが多かったことと比べると、

いかにも談志流の、面白い表現だと思いますし、

辛口で知られる談志にしては、素直な評価だと感じます。

もっとも、円生の人間性については、談志はボロクソにいっています。

談志の、偏狭でナイーブな性格が災いし、

自らが名人だと認める円生から冷遇されていたことが、

繊細な談志にとって、よほど心の傷になっていたのでしょう。

 

円生が、自ら厳選した100のネタを、スタジオであらたに録音し、

「円生百席」として、高音質の音源を後世に残したことは、

かれの大きな功績です。

ちなみに、わたしは、CD全巻揃えています。

 

数ある円生の落語のなかで、わたしがとくに好きなのは、

「包丁」、「らくだ」、「文七元結」、「居残り佐平治」、「札所の霊験」の5席です。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。