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浮世絵

よしをです。

 

永谷園の「お茶漬け海苔」。

今は、いくらも似た商材はあると思いますが、

昔は、「お茶漬けの元」的な商品は、永谷園のものしかなく、

ほとんど独占状態だったのではないでしょうか。

 

その、「お茶漬け海苔」の景品についていた、

東海道五十三次」のカード。

中年以上の人は、誰もが記憶があると思います。

わたしが初めて浮世絵に接したのも、この広重の浮世絵カードでした。

小学生の頃、せっせと集めていた記憶があります。

 

さて。

大和絵からつながる、初期の浮世絵の歴史は割愛するとして、

われわれが目にする、いわゆる浮世絵の歴史を紐解いてみましょう。

 

1700年代半ばに、「東錦絵」といわれる、多色刷りの版画が登場しました。

一般的には、これ以降の作品を、浮世絵とよんでいると思います。

「東錦絵」は、庶民のための娯楽の一種で、芸術作品ではありませんでした。

始祖は、鈴木春信といわれています。

題材は女性、いわゆる美人画がテーマで、

この頃には、すでに、下絵師、彫師、摺り師の分業制が整っていました。

 

その後、おもな浮世絵作家を時系列でみれば、

喜多川歌麿東洲斎写楽、歌川豊国(歌川派を形成)、

葛飾北斎歌川広重東海道五十三次)、歌川国貞、国芳といった、

作家群が有名です。

 

浮世絵のすそ野が広がるとともに、

美人画のほかに、風景画、風刺画、相撲絵、武者絵、芝居絵など、

作品のモチーフの幅が広がり、

独特な遠近法や、動物を題材にした風刺作品など、

時代とともに、題材や表現のバラエティも豊富になってきます。

最近では、外国人コレクターが買い集めているということで、

ますます浮世絵の希少性は高まっているようです。

 

わたしも、歌川派の作品を何点か所蔵しています。

芳幾、芳虎といった作家で、かれらの作品は、

コンデションにもよりますが、数万円程度で入手可能です。

最初にご紹介した、広重や歌麿歌川国芳の作品は、

大変人気もあり、高価で、とても手が出ません。

とはいえ、普通の絵画と違って、版画は、「一点もの」ではなく、

複数存在するわけなので、コレクションとしては、

取り組みやすいのではないかと思います。

 

江戸時代が終わり、明治時代に入ると、

作品が、横浜絵、開花絵、戦争絵といった内容に変化し、

月岡芳年 河鍋暁斎といった、かなりマニアックな作家も登場します。

 

明治時代の浮世絵は、

服装も近代的に、絵のタッチも写実的な色合いが濃くなってきます。

好みは人それぞれですが、

個人的には、あまり趣を感じられず、蒐集の触手が伸びません。

 

浮世絵を蒐集していて、よい点だと思えるのが、

贋作はすぐに見破れるというところです。

鑑定は簡単で、紙の質や顔料の発色をみれば、すぐにわかります。

また、コピーであれば、裏面を見れば、すぐにそれとわかります。

古い作品は、経年によって、程度の差はあれ、必ず退色(色落ち)します。

顔料の退色は、人為的に作り出すことは大変難しいと思われ、

このことからも、浮世絵の正贋判断は容易にできます。

 

前述のように、浮世絵の難しさは、その管理についてです。

浮世絵の顔料は、紫外線に弱く、管理が悪いと、すぐに色が抜けてしまいます。

とくに、黄色、赤色といった暖色が紫外線に弱いといいます。

 

浮世絵のなかで、全体的に青っぽい作品をみることがあると思いますが、

そういう作品は、もともとそういう色合いだったのではなく、

劣化により、暖色が抜けた状態にあると思われます。

そして、この状態から、さらに顔料が劣化すると、

最終的にはすべての色が消滅し、墨色の線だけになります。

コレクターとしては、

そうならないように、上手に顔料を維持しなければなりません。

 

わたしのコレクションは額装して、自宅の居間に飾っているのですが、

数か月ごとに入れ替え、暗所で「休ませて」います。

最近は、紫外線カットのアクリル板などがあるそうです。

お金はかかりますが、

そちらに切り替える必要もあると感じています。

 

絵でも同じですが、

額装や表装によって、作品は、見違えるように、よくなります。

1~2万円ほど、余分にお金はかかりますが、

絵画を入手された際には、ぜひ、晴れ着を用意してあげてください。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。