医学部裏口入学について思う
よしをです。
文部科学省の局長が逮捕された事件。
将来、受験戦争で戦うことになる、子どもをもつ身としては、
大変気になる事件です。
裏口…。
「なべやかん」以来、久しぶりに耳にしました。
まず、知りたいのは、
本当に、医学部の裏口入学が常態化しているのかどうか、ということです。
今回の事例のほかに、実際に表面化した最近の事例では、
帝京大学医学部で、2002年に裏口入学が露見したことがあります。
いま、巷(ちまた)では、
ある全寮制の医学部専門の予備校では、裏口入学の斡旋をしているとか、
裏口入学を約束していたが、試験に落ちて、返金騒動になった例がある、
といった話(噂?)が聞こえてきています。
真偽は、定かではありませんが、
医薬系予備校関係者などが、大学と学生(その親)を結ぶ、
仲介者(ブローカー)として、暗躍しているといいます。
また、ご本人が、実名で証言されているので、
情報の信頼度は高いと思いますが、
ある私立大学医学部教授が、
自分に直接、裏口入学の斡旋を持ちかけてきた予備校関係者がいた、
という証言をしています。
これだけ噂になっているのですから、
裏口入学が常態化している可能性は高いのではないでしょうか。
さて、このブローカーへの斡旋料は、1億円が相場とのこと(週刊誌情報)。
私立大学医学部の学費は、
6年間で、2000~3000万円台が相場ということですから、
合計1.3億円。
さらに、浪人生の場合、予備校の学費がプラスになります。
わたしの知っている専門予備校では、学費は年間で800万円(!)だそうです。
その予備校には、現在、3浪の双子の予備校生がいるんだとか。
親が開業医だそうですが、ここまでいくと、もう笑えないですね。
大学を卒業するまでに、すでに莫大な資金が必要です。
ため息が出そうになりますね。
(※これは、あくまで私立大学のケースで、国公立大学の場合、事情は全く違います。
あたりまえですが、念のため)
医学部に入学したとして、医者になれるかどうかは別問題です。
国家試験に合格しなければ、医者になれません。
一般的に、医師国家免許の合格率は90%程度だといわれています。
簡単な試験だと思われそうですが、
専門的な勉強をしっかりやっての結果ですから、
実際は楽な試験ではありません。
しかも、不思議なことに、
東大医学部の、国家試験合格率も、90%ほどだというのです。
つまり、全国平均とほぼ変わらないということです。
東大に入ってから、燃え尽きてしまう学生もいますので、
特別扱いするわけではありませんが、
医学部といってもピンからキリまであって、
二~三流大学でも、極端に合格率が下がるということでもないようです。
これには、からくりがあります。
二流以下の大学では、
当年度の合格率を上げるために、国家試験に受かりそうもない学生は、
強制的に留年させる、という方法をとっているといいます。
それが、学生全体のおおよそ20~30%いるそうで、
つまり、本当のところ、
それらの大学の国家試験合格率は60~70%程度だというわけです。
さすがに、国家試験には、裏口は通用しないようで…。
開業医やお金持ちの親にすれば、いくら経済的には理屈に合わなくても、
子どもを医者にしたいと考えるのでしょう。
今回の裏口入学の事件は、親のエゴの合わせ鏡です。
インチキをして医者になった人が、
献身的な医療活動をしてくれるのかどうか。
これからは、私立大学出身の医者には見てもらいたくないという人が
増えるかもしれないですね。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。