あおり運転の心理
よしをです。
一般的に、前方の車との車間距離を極端に詰める行為や、
クラクションを鳴らして威嚇する、前方に回って急ブレーキを踏む、
幅寄せをするなどの「あおり運転」。
誰しも、ほかの人の運転に、イライラすることはあります。
しかし、ほとんどのドライバーは、
「びっくりした」とか、「先に行かせてくれ」などと、心に思い、
あるいは、口に出す程度で、怒りを収めるのが普通です。
もしくは、せいぜいクラクションを鳴らす程度の行為にとどまり、
実際に、あおり運転をする人は、ほとんどいません。
あおり運転をする人は、
急な割込みをされたり、
怒りの感情に点火する、スイッチのようなものが働き、
いわゆる「キレる」状態になります。
それは、アルコールの影響などと同じく、
元々、かれらに内在する凶暴性が、
運転をきっかけに、解き放たれるということです。
しかし、アルコールと決定的に異なるのは、
自分を見失うほどの判断力の低下の影響が、
運転によって、引き起こされるわけではないというわけです。
したがって、「キレる」行為には、
何らかの、合理的な理由もあるのだろう、という想像ができます。
①匿名性
道路には、似たような車がたくさん走っていて、
あおり運転をしても、特定されにくく、
報復を受けたり、警察に通報されることはないと考えています。
したがって、「やり逃げ」、「やったもの勝ち」的な心理が働きます。
②安心感
ちょっと車間距離をつめただけで、
あるいはパッシングをしたり、急ブレーキを踏んだだけで、
大きな事故になるとは考えていない可能性があります。
いやがらせをしている相手が見えないので、
相手のダメージがわからずに、行為がエスカレートしますが、
本人は、罪悪感もなく、すぐに忘れてしまいます。
③優越感
軽乗用車が、あおり運転をするケースも結構ありますが、
高級外車や大型SUV車などに乗っていると、優越感や選民意識が生まれ、
気が大きくなる傾向が、あおり運転につながります。
④報道の影響
ニュース報道や、WEBでの映像公開など、
危険運転を批判するための報道が、
かえって、あおり運転を増やしています。
「自分のほかにも、やっている人間がいる」、というのが、
一種の安心感につながっているからです。
あおり運転の被害で、亡くなった方もいらっしゃいますが、
危険運転致死傷が適用されなければ、
犯人には、せいぜい懲役2~3年の罰則しか課せられません。
そもそも、犯罪認定も難しい、あおり運転ですが、
対象者には、刑罰の見直し(重罰化)とともに、
「免許取り消し、再交付なし」といった、運転免許の運用規定の厳罰化を、
検討していただきたいと思います。
あおり運転の「やり逃げ」を許さないために、
顔やナンバーが記録され、犯人が特定できる、
ドライブレコーダーの装着は、お薦めです。
行政に対しても、
全ての車にレコーダーが搭載されるよう、助成金などの対応を望みます。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。