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鼻煙壺の誘惑

よしをです。

先日、あるギャラリーのショーウインドーに、
小さな壺が飾ってありました。
高さ10センチ未満の小さなガラスの壺には、
精細な風景画が施されていました。
これは、鼻煙壺(びえんこ)といって、
別名スナッフボトルといわれる、嗅ぎタバコの容器です。

中国の明の時代、嗅ぎタバコがイタリアから伝わりました。
その新奇さや、百病を鎮める効果があるとされ、
嗅ぎタバコは、上流社会を中心に大流行しました。

中国では、高価なタバコを湿気から守るために、
密封された小さなガラスの壺に入れて持ち歩きました。
清の時代になると、ガラス壺は芸術性を競う装飾品へと昇華しました。
鼻煙壺の素材は、金銀などの金属製のものや、
玉(ぎょく)や瑪瑙などの貴石のものや、白磁の陶器、象牙など、
あらゆる珍奇で高価な素材が用いられました。

美術品で有名なものは、
乾隆ガラスに代表される、色ガラスを重ねた鼻煙壺ですが、
内絵といわれる装飾方法は、驚異的なものです。
これは、透明なガラスの内側に採食を施すもので、
一番の特徴は、「逆絵」といって、絵や文字を裏返しに描く技法です。
小さな壺の口から、特殊な筆を差し入れて絵や文字を描くのですが、
信じられないほど、精緻なテクニックが施されています。

鼻煙壺は、中国国内で、現代でも製作され続けています。
骨董の世界では、清時代の逸品となれば、
数千万円で取引されるものもありますが、
当然ながら、贋作も山のようにあります。

陶磁器でも事情は同じなのですが、
中国では、そのものの最盛期から現代まで、
同じ原料、技法で作り続けているため、
贋物のレベルが非常に高いという、困った状況があります。

プロでも見破ることが難しいほどのニセモノもありますから、
わたしは、中国の古物については、ほとんど蒐集していません。
もっとも、そんな財力もないのですが(汗)。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。