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キャッチアップ戦術の限界

よしをです。

 

 

サムスン電子現代自動車などの韓国企業は、

欧米や日本企業の製品をコピーし、

大胆な設備投資とマーケティング戦略で、史上を席捲しました。

社内にない技術があれば、技術者ごと引き抜いてくるのは常套手段で、

とくに日本の技術者をヘッドハンティングして、商品開発をさせてきました。

これをキャッチアップ戦術、もしくは二番手戦術といいます。

 

サムスンの場合、

三洋電機パナソニック、キャノン、NEC、コニカミノルタなど、

日本では斜陽産業とされてきた企業からの引き抜きが目立ちます。

アップルの、故スティーブ・ジョブズ氏は、

サムスンを、「コピーキャット」と呼び、蔑視していました。

 

先進国の技術を転用、あるいは盗用することで、

サムスンは、半導体や携帯電話などの分野で、世界一の企業になりました。

しかし、業界のトップに立ったことで、

サムスンの二番手戦略には、限界が訪れています。

サムスンは、日本や欧米企業を追い抜くという目標を失ってしまったのです。

 

最先端の技術分野では、既存の技術は、すぐに陳腐化してしまいます。

したがって、日本や欧米の企業は、研究費に重きをおき、

常に、あらたな技術開発をおこなっています。

このコストは莫大です。

 

サムスンは、研究コストを省略し、

技術を外部から導入するという方法で、これまで成長してきました。

そのため、社内に技術や研究の蓄積がなく、

あらたな技術開発が難しいともいえるのです。

二番手であれば、外部から技術を導入する方法でも効果はあったのですが、

いざ、自らがトップに立つと、そのツケが重くのしかかってきました。

 

技術が頭打ちになったサムスンは、

同じように、キャッチアップ戦術で追随する、

中国や台湾のメーカーに、コストで対等できなくなってしまいました。

半導体は、まだ持ちこたえているようですが、

携帯電話については、マーケティングの失敗や技術の陳腐化が重なり、

苦戦が伝えられています。

 

サムスンに限らず、LG電子や現代自動車でも状況は同じです。

たとえば、自動車の世界では、自動運転技術や水素自動車などが、

次世代の技術とされていますが、

これらの先端技術は外部に出ることなく、

日本や欧米のメーカーは、各自が極秘で開発をすすめています。

しかも、ライバルは自動車メーカーだけではなく、IT企業が対象になります。

現代自動車には、そのような独自技術はほとんどありませんから、

これらの技術が実現化すれば、一気にシェアを失ってしまうでしょう。

 

未来の自動車産業は、トヨタBMWなど、既存のメーカーに加えて、

アップルやグーグルなどが支配することになると思います。

 

日本の企業は、古くは、繊維産業から自動車に転身したトヨタをはじめ、

最近では、化粧品の分野に転出したフジフィルムなどの例があります。

上掲の韓国企業に、そのような素地があるのかどうか。

すぐに結果を求める、かれらの国民性からすれば、困難な道だと思うのです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。