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食のタブー 馬肉について

よしをです。

 

日本では、戦国時代から、

馬肉は、貴重なたんぱく源として重用されていました。

熊本県、長野県、福島県あたりで、郷土料理として親しまれていましたが、

江戸時代に入ると、飲食店で供されるようになります。

馬肉は、現在のように、生で食するのは一般的ではなく、

鍋料理としてふるまわれました。

いわゆる、「桜鍋」とか、「けとばし」といわれる料理です。

 

台東区千束4丁目、国内最大の遊郭・吉原の近く、山谷堀(吉原土手)には、

遊客が、吉原で遊ぶ際に、精をつけるとして、

馬肉を食す習慣があったそうで、桜鍋を商う店が多く出店していました。

吉原土手で桜鍋を営む店は、

明治になってからは、最大20軒ほどが軒を連ねていたそうですが、

現在では、2店のみになってしまいました。

20年ほど前のことですが、

わたしも、昔、山谷堀の老舗のひとつ、

中江屋で、何度か桜鍋を食したことがあります。

玄関には、下足番のおじさんがいたりして、

昔ながらの「けとばし屋」だけに、なかなか趣がありました。

今でもまだ、あるでしょうか?

 

江戸で消費される馬肉の産地は、

当時、幕府の直轄の牧場があった、千葉県の佐倉でした。

産地名が、そのまま鍋の名前(さくらなべ)の由来になったのかどうか、

よくわかりませんが…。

 

馬を食する習慣がある国は、それほど多くなく、

日本のほかには、フランス、オーストリア、イタリア、スイス、北欧各国や、

動くものなら何でも食べる中国や、モンゴル、カナダなどです。

日本で消費される馬肉のうち、輸入物はカナダが多いそうで、

年間、2000~5000頭が輸入されているといいます。

大変な数です。

もっとも、これらが、すべて桜鍋や馬刺しになるわけではなく、

ソーセージやハンバーグ、ペットフードとして、

その大部分が、加工肉として消費されています。

 

一方で、国内産の馬肉も、かなりの量が流通しています。

国内には、当初から食用として養殖されている馬はいませんから、

何かの理由で廃馬されて、食肉になるということになります。

 

気になるのは、競走馬の食用への転用がされているかどうかということです。

JRAの物故馬の法要情報によれば、

レース中の不慮の事故などにより、

死亡した競走馬は、2018年度は102頭でした。

古くは、競争中の骨折事故をおこした馬を、

食用にしていたこともあったそうですが、批判が多かったそうで、

現在は、安楽死させて、食用転用はしていないそうです。

 

それでは、国内産が、どこから供給されているのかということなのですが、

競馬専門雑誌の記事に、気になるヒントを見つけました。

競馬雑誌の、競走馬の異動欄には、

現役を引退する馬の、異動先が記されています。

それによると、地方競馬への移籍や、種馬、乗馬用のほかに、

「用途変更」とされているものが、相当数存在します。

JRAが公式に発表したものではありませんが、

わたしは、用途変更のなかに、食用に転用された例が、

相当数含まれている、

あるいは、ほとんどが食用に転用されているのではないかと、

想像しているのです。

 

残酷だから反対、というわけではありませんが、

競争社会に敗れた馬が食べられているという現状については、

人間の身に照らし合わせてみるとどういうことになるのか、

奇妙な符号を感じます。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。