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戦争と象の歴史

よしをです。

 

インドでは、4000年前から、インド象を飼いならして、

農耕をさせていたことがわかっていますが、

その後、兵器としても使われるようになりました。

 

インド象が、戦争に使われ始めたのは、

紀元前1100年ごろといわれています。

その後、戦象は、インドから東方世界に拡大し、

紀元前300年ごろ、アレクサンドロス大王の時代には、

ペルシア帝国のダレイオス3世が、ガウガメラの戦いで、

戦象を使って、アレクサンドロスを苦しめたという記録が残っています。

 

戦場においては、

象が怒り狂って、敵兵に攻撃的になることが重要であるため、

戦いの前は絶食状態にするとか、薬物を与えることなどもしていたといいます。

 

そのほかに、戦象で有名なのは、

ローマとの戦い(ポエニ戦争)における、

カルタゴの将軍・ハンニバルの、アルプス越えです。

ハンニバルは、50頭ほどの戦象を引き連れて、

スペインからアルプスを越えて、ローマへ入る予定でしたが、山越えで難渋し、

北イタリアに入ったときには、頼みの戦象は衰弱した8頭しか残っておらず、

ローマ軍との戦いで、ハンニバルは完敗してしまいました。

このときに使われた象は、大型のアフリカゾウではなく、

インド象もしくは、マルミミゾウの一種、もしくはシリアの在来種など、

諸説があって、よくわかっていません。

 

わたしは初めて知ったのですが、中国にも象(中華象)がいたそうです。

そのほかにも、固有のサイ(中華サイ)が存在していましたが、

いずれも、2000年以上前に、絶滅してしまいました。

中華象とは、おそらく、

東南アジアにいる、インド象の亜種の小型の象だったようで、

殷墟には、象の墓も残されています。

大切にされていたのでしょう。

 

殷の時代には、中国でも、インドと同じように、

象を農耕に従事させていましたが、やがて、戦象が使われ始めます。

暴君として知られた殷の紂王は、

異民族征伐に、戦象部隊を使いました。

その後、春秋戦国時代になり、楚呉の戦いでは、

楚軍が象の尾に火をつけた松明を縛り付け、

暴れ狂う象が敵軍(呉)を蹂躙したことが、春秋左氏伝に記されています。

 

温暖湿潤だった中国の気候が、時代が下がるにつれ、

寒冷な気候に変化し、さらに、象牙を狙っての乱獲も重なり、

中華象は、絶滅してしまいました。

人間が原因の、残酷な歴史です。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。