生物の種としての寿命
よしをです。
生物の多様性保持が、
世界の環境問題のテーマになって久しくなりました。
地球の40億年の歴史のなかで、
さまざまな環境に適応した、生物の進化がおこなわれ、
さまざまな種類の生物が生まれ、多くは姿を消しました。
現在までに、科学的に認知されている生物の数は、
アフリカゾウから昆虫、さらに小さな藻類に至るまで、
すべて含めると140~180万種になるそうです。
そして、研究結果によれば、
毎年、全体の0.01~0.1%が、
絶滅しているといわれています。
つまり、概算で、毎年1000から10000種類の生物が、
絶滅している計算になるそうです。
ゾウは、かつてはマンモスやナウマンゾウなど、
いくつかの種類が実在しましたが、
現在は、アフリカゾウ、インドゾウ、マルミミゾウの、
3種のみ現存します。
いずれのゾウも、絶滅の危機に瀕していますが、
絶滅が不可避である理由として、
ゾウには、種としての寿命が訪れているという、
解釈をする研究者もいます。
ある生物種の進化が、究極まで行きつくと、
種としての活力を失い、個体数を減らしていき、
外的な要因にも耐性を失い、
必然的に、絶滅に向かうという見解です。
長い地球の歴史においては、
恐竜の絶滅などの、ドラマティックな出来事が、
何度もおこっています。
恐竜の絶滅と同時期の地球において、
一部の両生類や爬虫類、昆虫は、
環境変化に対応すべく、
小型化へと進化することで乗り切り、
原始的な哺乳類は、氷河期を乗り切り、
その後も進化を続けました。
恐竜は、地球の環境変化に対応できずに滅びましたが、
それは、かれらの種としての進化が、
究極に達していたことの証明なのかもしれません。
もし、この理論が正しいのであれば、
生物の種としての長寿を維持するためのポイントは、
進化をし続けること以外に、
もうひとつ方法があると思います。
それは、ほかの種の遺伝子の混入です。
最近、外来クワガタムシと固有種との交雑が、
問題になっていますが、
種の寿命という見解からすれば、
プラスに働くかもしれません。
アフロアフリカン以外の人間(ホモサピエンス)は、
ネアンデルタール人など、
別種の人類と交雑をしていたことが、
遺伝子調査によって、明らかになっていますが、
ひょっとすると、この混血の結果が、
人間の種の寿命を、長くするのかもしれません。
その場合、純血のホモサピエンスの種としての寿命は、
ほかの人類よりも、短くなるということになりますが…。
現代におこっている、
種の絶滅の事象が、過去と決定的に異なるのは、
絶滅のスピードが、圧倒的に速いということです。
もちろん、これに関与しているのは、
人間の存在や、その活動ですが、
それすら、種としての寿命で説明するというのは、
さすがに無理があります。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。