幼児の歯科麻酔死亡事故に思う
よしをです。
先日、福岡県に住む、2歳の女児が、
虫歯の治療で使用された麻酔が原因と思われる、
低酸素脳症で亡くなった事件の、
民事訴訟がおこなわれました。
歯科医院の院長は、
業務上過失致死の容疑で、書類送検されていますが、
女児の両親から、
損害賠償を求める、民事訴訟が起こされていたもので、
両親は、涙ながらに、院長に謝罪を求めたということです。
不思議に思うのは、2歳の幼児が虫歯になるということです。
幼児は、自分では歯磨きができません。
いやがる幼児の歯を磨くのは、なかなか難儀なことですが、
虫歯予防のために歯を磨くのは、親の務めです。
友人の歯医者に聞いたところ、子どもの虫歯は、
三度の食事ではなく、ほとんど、おやつが原因だといいます。
予防治療がすすみ、いまは、虫歯菌が付着しにくくなる、
フッ素コーティングなどの、あらたな予防法も普及しています。
歯科医で塗布処置してもらうのがベストですが、
フッ素水を使った、うがいをしても充分に有効性はあります。
予防意識のたかまりもあり、
虫歯のある子どもの割合は激減しています。
虫歯がまったくない子どもは、
5歳児で60%に増えているそうですが、
その反対に、極端に虫歯の多い、
口腔崩壊状態の子どもも、増えているといいます。
つまり、子どもの歯の状態は、二極化しているのです。
このことから浮かび上がるのは、
経済的な困難を抱える親の問題です。
生活の余裕がなくなって、子どもの歯磨きが行き届かず、
歯医者にも連れて行けず、虫歯が悪化することが多いのです。
なかには、全身麻酔で治療しなければならないケースも
あるといいます。
福岡のケースは、局部麻酔ということですから、
重症なケースに当たるかどうかは、わかりません。
使われた麻酔薬は、安全性が高い薬剤だといわれていますが、
少量であっても、誤って血管に打ってしまうと、
薬剤が血管内を通って、脳に至り、
低酸素脳症を発症させる可能性があるそうで、
今回の事故は、
これに当たるのではないかという、見解もあります。
不幸な偶然による事故だったのか、
それとも、歯科医院に、
重大な過失があったのかはわかりません。
しかし、亡くなった女児の両親には、残酷な言い方になりますが、
子どもの虫歯は、
100%、親の責任であるという事実には、変わりはありません。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。