また注目されている原発汚染水問題
よしをです。
福島原発の汚染水問題が、
韓国からの嫌がらせのようなクレームで、
また注目を浴びています。
福島原発では、現在、地下汚染水問題が深刻化しています。
保管するタンクが、満杯になっているのです。
汚染水に含有されているのは、
おもに、トリチウムという物質です。
現在、1日あたり、500~800トンもの地下水が、
その地下水が、原子炉炉心周辺の放射性物質で汚染されて、
放射能汚染水となっています。
いろいろ対策を講じていますが、あまり効果がないようで、
地下水は際限なく流れ込んでいますから、
原子炉の解体ができない限り、作業に終わりはありません。
汚染水を汲み上げ、保存するためには、
大量のタンクが必要ですが、
当然ながら、保存の限界が近づきつつあります。
この問題は、
スリーマイル事故やチェルノブイリとは異なる、福島特有の現象です。
最近になって、タンクの汚染水を海に放出するプランが、
持ち上がっています。
現在は、汚染水をタンクに貯蔵する前に、
ALPS(汚染除去装置)によって、
ある程度の汚染物質を除去しています。
その結果、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131といった、
強毒性の物質は、ほとんど除去され、汚染水に含まれるのは、
ほとんどが、トリチウムだけということになっています。
微弱なβ波を放出して、安定元素のヘリウム3に変換します。
人体や環境への影響については、
水を通じて体内に摂取した場合は、体内に蓄積されず、
10日から、長くても40日以内で、
体外に放出されるといわれています。
つまり、危険性の低い物質だといわれているのです。
したがって、「トリチウム水」を海に放出することについては、
容認されるであろうというのが、政府や東京電力の立場でした。
自然環境への放出は、世界基準にも合致しています。
しかし、実際には、汚染水には、トリチウム以外にも、
かなり高濃度の、毒性の強い、ヨウ素129、ルテニウム109、
ストロンチウム90などが含まれている可能性が指摘されています。
東京電力は、この事実を把握している可能性が高いと思われますが、
公開はされておらず、いずれ、各方面から、
東電の姿勢を疑問視する声があがるかもしれません。
これらの前提から、ある専門家の試算によれば、
汚染水を120年間保管した場合、
毒性の強い物質の含有量は、天然の雨水と同レベルに浄化でき、
自然環境への放出が可能であるといいます。
したがって、今後の現実的な方策としては、
現在のドラム缶状のタンクではなく、
石油備蓄用の大型タンクを用いて、
100年以上の長期貯蓄に備えるべきだとしています。
このところ、海への汚染水の放出が、
積極的に議論されるようになってきていますが、
東京電力を信頼できないというのが、わたしの率直な感想です。
経済的に無価値なものに対して、
100年単位で、複数世代にわたって管理を続けるというのは、
大変難しいことだと思いますが、
わたしは、日本人ならば、必ずできると信じています。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。