アメリカに見る老後の生活設計
よしをです。
少し前、日本では、
「老後2000万円必要問題」が話題になりました。
昨今、マスコミは、わたしたちが、
年金と貯金だけで生活しなければいけないような、
まるで、切迫感を煽るような報道をしていますが、
アメリカ人の考え方は、異なるようです。
一般的には、日本人と比べて、
アメリカ人の貯蓄額は、30%程度しかないそうです。
さらに、貯蓄ゼロの家庭が30%程度いるそうです。
ただし、貯蓄ゼロ家庭のすべてが貧困家庭とは限りません。
老後の生活設計のために、貯蓄ではなく、
積極的に投資をおこなっている人も多いといいます。
そもそも、アメリカには、
日本のような公的年金制度はありません。
似たような制度としては、
「ソーシャルセキュリティ」というシステムがあります。
また、日本でも一般的になりつつある、「確定拠出年金」や、
個人年金制度のようなものが利用され、
それらの制度を活用すると、
現役時代の収入の、おおよそ40%ほどを賄えるそうです。
健康保険の制度も、日本とは異なります。
アメリカには、そもそも、
日本の国民健康保険のような、公的保険制度はなく、
民間の健康保険(任意加入)しかありません。
任意の保険に加入していないと、
病気になった場合、とんでもないことになります。
したがって、普通の人は、任意保険に加入するのですが、
保険に加入できない貧困層のなかには、
まともな医療を受けられないケースが増えているため、
オバマ大統領政権時に、福祉の向上をかかげて、
「オバマケア」と呼ばれる加入促進制度がスタートし、
医療保険加入の義務化(罰金制度あり)によって、
保険加入率94%を目指すとしています。
どうなりますことやら…。
つまり、アメリカでは、年金や健康保険制度も個人任せで、
老後の生活設計についても、個人の裁量に任されています。
アメリカでは、老後の資金について、
「必要な資金の60%は自分で稼げ」といわれるのですが、
その意味は、
前述のソーシャルセキュリティ制度や、確定拠出年金などで、
賄える40%(現役時代の給料)では足りない資金を、
自らの工夫で、つくれということなのです。
かれらは、株式投資をはじめ、さまざまな投資をおこなって、
老後の生活費対策をおこなっています。
以前、サブプライムローンが破綻した際には、
多くの老後資金を失った人も多かったため、
最近では、個人が、資産形成のために、
ファイナンシャルアドバイザーと契約することも一般的です。
これは、最近、日本でも、銀行や証券会社が、
強化している分野でもあります。
老後の貯えとは別のアプローチとして、
アーリーリタイヤをして、自由気ままに生活する人や、
80歳をこえても、現役でバリバリ働く人など、
さまざまな選択をする人がいます。
わが国では、老後の生活についての不安ばかりが、
クローズアップされていますが、
アメリカでは、総じて、ポジティブに、
シニアライフをおくっている人が多いように思います。
わたしたちも、
年金の範囲で、お金のかからない生活をすることや、
長く現役として働くことや、積極的な資産形成をするなど、
もっと自由にシニアライフを選択してもいいのではないでしょうか。
「自由」にはリスクもつきものですが、
心配するばかりでは、なにもできません。
アメリカ人とて、全員が経済的に豊かなわけでもないのです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。