小銭とキャッシュレス
よしをです。
ある地方紙に掲載された、
「1円玉の悲しみ」と題した投稿が話題を集めています。
投稿者は70歳の男性読者で、
コンピニで、1年玉75枚で75円の買い物をしようとしたところ、
店員から、「小銭は20枚が限度で、
それ以上は受け付けない」として、
支払いを拒否されたということです。
投稿者は、
「1円足りなくても売ってもらえぬが、1円玉を集めての老人の買い物など、はじめから、かれらの了見に入っていないのだろう」と、
やるせなさを綴っています。
いやいや、違うでしょう。
レジに行列ができるのを想像すると、いたたまれない気分になります。
個人的には、ただの非常識だとしか思えません。
正直なところ、この投稿を採用する新聞社の了見を疑いますが、
いいすぎでしょうか…。
店員の説明の、「小銭は20枚まで」には、法的根拠があります。
「通貨の単位及び紙幣の発行等に関する法律」の7条に、
「貨幣は額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する」、
と規定されています。
したがって、今回のような、
硬貨75枚の支払い拒否は正当な主張です。
ただし、同法が規定しているのは、
「拒否できる」というだけで、拒否を強制するものではありません。
コンビニの店員は、面倒がらずに、
1円玉を数えて、支払いを受けることもできたということですが、
わたしが店員なら、やっぱり拒否するかなあ。
さて、納税の場合はどうでしょうか。
財務省のホームページをみると、
「取引の相手方の了解が得られるならば、それを定めるものではない」、
とされています。
したがって、どうしても効果で払わなければならない必然性があって、
税務署の担当者を納得させることができれば、
大量の硬貨による支払いも可能なわけです、法的には。
昨今は、銀行で両替するにも、手数料がかかる時代になりました。
銀行で両替する場合、枚数によって手数料が異なります。
たとえば、あるメガバンクの場合、
窓口で両替すると、500枚までなら手数料は550円、
501~1000枚は1100円で、
以後500枚ごとに550円加算されます。
小銭の両替では、
窓口よりも、自動両替機のほうが、手数料が少なくなります。
上掲のメガバンクの場合、1000枚の硬貨に両替する場合、
窓口だと、手数料は1100円ですが、
両替機を使えば600円になるそうです。
政府がキャッシュレスを推進する理由も、少しはわかる気がします。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。