東京布袋尊
よしをです。
布袋尊は七福神のなかで、
唯一、実在の人物が神格化した存在です。
一般的には、「布袋さま」と呼ばれることが多いですが、
名前の由来は、布袋尊が背負う、大きな袋からきています。
布袋尊のご利益は、
開運、子宝、良縁、夫婦円満、無病息災、金運向上などで、
ほかの七福神同様、オールマイティなご利益がありますが、
なかでも、家庭に関わるご利益が多いようです。
布袋尊は、中国の唐末~後梁時代(五代十国時代)に、
現在の浙江省に実在した僧侶です。
契此(かいし・けいし)を自称し、
定応大師、あるいは長汀子とも呼ばれています。
契此は、現在の布袋尊に描かれるように、
背が低く、肥えた体躯に、常ににこやかな表情をしていました。
特定の寺に属するのではなく、
放浪して、喜捨を求めて歩いていたとされ、
いつも大きな袋を持ち歩いて、
袋の中には、施しをうけた供物を入れていたといわれています。
占いが上手で、百発百中の技量をもち、
雪の上に寝ても、体が濡れなかったという逸話もあり、
すでに、生前から神格化されていたようです。
唐代は、玄奘(三蔵法師)に代表される多くの僧が、
インドに赴いて、大量の経典を持ち帰り、
禅宗、浄土教、密教、華厳宗などを発展させた時代です。
国際国家である唐には、仏教以外にも、
マニ教やゾロアスター教、ネストリウス派キリスト教、イスラム教が伝来し、
首都長安には、これらの寺院が立ち並びました。
唐15代皇帝武宗は道教を信奉し、
これらの外来宗教を弾圧し、ほとんどが消滅しますが、
仏教については、禅宗や天台宗などが、かろうじて生き残りました。
契此の宗旨が、禅宗なのか、天台宗なのかは判然としませんが、
世紀末の混沌の時代にあって、
慈愛にあふれ、常に微笑みを絶やさず、万物を愛する無私の信仰が、
民衆の畏敬を集めたことは間違いありません。
死の間際に読んだ詩から、
契此は弥勒菩薩の化身であるという信仰が生まれ、
以後、中国全土で、福の神として祀られるようになり、
七福神の一柱として、家内安全の守り神となりました。
お笑いコンビ・東京ホテイソンの2人は、
お笑い第七世代の旗手として、頭角を現しています。
そのコンビ名は、メンバーの「たける」の発案によるもので、
布袋尊が、笑いの神であることから、つけた名前だといいます。
非常に縁起のいいネーミングですから、
今後も、かれらのさらなる活躍に期待したいです。
ちなみに、わたしはかれらを初めて知った瞬間から、
(ホテイソン=布袋尊)だと確信していました。
少し自慢だったりします(笑)。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。