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いまさらゴーン

よしをです。
カルロス・ゴーン逃亡者の逮捕容疑は、合計4件あります。
1、2回目は、有価証券報告書に、
実際の報酬よりも少ない金額を記載した、金融商品取引法違反、
3回目は、ゴーン氏の資産管理会社が運用していた、
デリバティブ取引で生じた18億5000万円の損失を、
日産自動車に付け替えた特別背任罪
4回目が、オマーンの販売代理店に支出された日産の資金を、
不正流用した、会社法違反容疑です。

3回目の容疑で、日産自動車に対して、
18億5000万円もの損失を生じさせた原因は、
いわゆる、デリバティブ取引と呼ばれる仕組みによるものです。
デリバティブ取引には、
先物取引オプション取引スワップ取引などがあり、
これらの取引を組み合わせた、先物オプションなどの取引もあります。

先物取引のイメージは、このようなものです。

ゴーン氏は、甲社の株式の購入を考えていますが、
現在、1株1000円の甲社の株は、
今後、値上がりする可能性があると考えています。
そこで、ゴーン氏は、半年後に、
甲社の株を1000円で購入する契約を結びます。
半年後、ゴーン氏は、1000円を支払って、甲社の株を入手しました。
入手した時点で、
当該の株の実勢価格が1200円であれば、200円の含み得になり、
700円であれば、300円の含み損になります。

ゴーン氏の資産管理会社は、先物取引を、
株式ではなく、円ドルレートでおこなっていたと考えられています。
株式であれば、一旦価格が下落しても、
反転して値が上がるまで、株式を持ち続けるという選択もありますが、
通貨交換の場合は、通貨の現物同士で交換しなければならないので、
円が値上がりしていれば、ドルの手取りが多くなりますが、
値下がりした場合は、
目減り分が、そのままドルの手取り減に反映されます。

サラリーマンが、会社の金を使って博打をする不正を、
ときどき耳にすることがあります。
勝つ気満々で、競艇競馬に会社の金を突っ込むわけですが、
負ければ、自分の金で穴埋めするしかありません。
もし、穴埋めできないぐらいのマイナスになれば、
バーストして、横領が発覚することになります。

ゴーン氏は、日産自動車の資金を流用して、博打を打っていました。
もちろん、円相場があがれば、
勝ち分を、自分の懐に入れて、元金を会社に戻す算段でしたが、
運悪く、円相場が下がってしまったため、自分では清算せず、
18億5000万円もの負け分を、会社に赤字計上させていました。

問題は、ゴーン氏が、どの程度、資金を突っ込んでいたかということです。
単純計算になりますが、
円ドルレートが、80円から100円に変わった場合、
20%値下がりしたことになりますが、
18億5000万円の損失をそれに当てはめると、
ゴーン氏は、92億5000万円ものデリバティブ取引を、
しかも、会社の金で、おこなっていたことになります。

小さな損を取り戻すために、掛金を大きくしていったのかもしれませんが、
かなりの無茶をして、投機的な預金操作をおこなっていた理由は、
ゴーン氏は、2015年頃に前妻と離婚しており、
いろいろと物入りだったためだともいわれています。

日産自動車が、
ゴーン氏の家庭問題のゴタゴタを処理させられていたのだとしたら、
バカバカしい話だし、社員は気の毒です。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。