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尖閣問題のそもそも

よしをです。
2012年9月、日本政府は、沖縄県石垣島尖閣諸島のうち、
民間所有の魚釣島、北小島、南小島の3島を20憶5000万円で買取り、
国有化しました。
野田佳彦首相の国有化決断の背景には、
東京都の石原慎太郎知事が、
東京都による買取りの意向を表明していたことがあります。

石原都知事は、国民に支持を呼びかけて15憶円もの寄付を集め、
寄付金に東京都の予算を追加して、20億円で島を買取る計画でした。
石原氏は、無人島の魚釣島に船着き場を設け、
管理人を常駐させて、島を実効支配するプランをもっていました。

野田首相は、対中強硬派の石原氏が主導する東京都による所有を抑え、
国有化しなければ、日中関係に決定的な亀裂が起こると考えていました。
石原氏と野田総理の間で、会談がおこなわれましたが、
「戦争も辞さず」と、口角泡を飛ばす勢いで主張する石原氏に対して、
野田総理は心中、「このままでは大変なことになる」として、
国有化の動きを一気に加速させました。

ウラジオストクでおこなわれたAPEC会場で、
胡錦涛国家主席野田首相が、非公式会談をおこないました。
野田首相は、会談の場で、尖閣の国有化を説明しています。
石原慎太郎の乱暴狼藉を収めたことをもって、
胡錦涛主席と手打ちができるという甘い考えをもっていたのでしょう。
しかし、胡錦涛主席から返ってきたのは、
「国有化の違法、無効宣言」という強烈な拒否反応でした。
その反応をどう感じ取ったのかはわかりませんが、
首相官邸は直ちに尖閣国有化を宣言して紛争化し、
現在に至るのです。

胡錦涛主席は、メンツをつぶされた格好になりました。
そして、胡主席が次期国家主席に推挙していた李克強氏は、
習近平との権力争いに破れ、習近平国家主席に就任しました。
習近平政権がこのような条件のもと、誕生したことを考えれば、
尖閣問題で中国が日本に妥協する余地がないことは明白です。
尖閣国有化の報復として、
中国国内のデモや暴動によって、日本企業は大きなダメージを受け、
現在進行形で、
中国の公船による領海侵犯が、継続的におこなわれています。

現在、中国は4か所で国境紛争を抱えています。
南シナ海南沙諸島)、台湾、中印国境と、尖閣を含む東シナ海です。
いずれの地域でも、
中国は、表立って戦争をするつもりはなく、急ぐ様子もありません。
紛争状態が続く状態が、かれらの国益にかなうと考えているのです。
紛争地では、緊張の度合いを厳しくしたり、緩めたりしながら、
相手国側に隙ができるまで、いつまでも辛抱強く待ち続け、
チャンスをつかむと既成事実化して居座るのが、中国の戦術です。
南沙諸島の占拠が、
フィリピンから米軍が撤退した隙を狙って強行されたように、
中国政府は、日本の尖閣国有化をチャンスとして認識しているのです。

中国の船舶は、
武漢肺炎が世界的な流行となって猛威を振るう現時点においても、
尖閣諸島への領海侵犯を継続しておこない、
日本の領海警備に隙があるかどうかを確認しています。
日本人の感覚からすれば、「なぜ、こんな緊急時に」と考えますが、
日本人や日本政府の常識は、中国には通用しません。
中国は、国民の健康問題には一切興味はなく、
自らの国家戦略や利益に則って行動しているだけなのです。

畢竟、尖閣問題は、中国に占拠されるまで解決しません。
しかし、野田元首相や当時の民主党幹部、そして石原慎太郎氏は、
中国に紛争のきっかけを与えてしまった尖閣国有化の判断に関して、
現在まで、反省の弁どころか、一切のコメントも発していません。
本当に無責任な人たちです。

コモドオオトカゲは、興味深い生態をもっています。
かれらは、獲物の隙をとらえて近づくと、鋭い歯で相手に噛みつきます。
獲物にひと噛みさえすれば、かれらの狩りは成功です。
咬まれた動物は、オオトカゲの毒によってゆるやかに衰弱し、
失血がすすんで、やがて動けなくなります。
オオトカゲは、傷ついた獲物をうしろから執拗に追跡し、
体が動かなくなったところで、ゆっくりと捕食します。
これこそが、まさに中国の姿です。

中国共産党と中国人民軍は、
コモドオオトカゲのように、執拗に、粘り強く、他国の利益を侵食します。
われわれは、このような恐ろしい国と対峙していることを自覚すべきです。


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