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韓国の防疫は成功しているのか

よしをです。
ワイドショーにおける武漢肺炎への対策に関する主張は、
いまだに、「韓国に倣ってPCR検査を増やせ」というものが多いのですが、
そもそも、韓国は感染抑制に成功しているのかどうか、疑問なのです。

山中伸弥教授が、さまざまな発信をしている中で、
各国のPCR検査のグラフが公開されています。
これによると、たしかに、日本は圧倒的に検査数が少ないのですが、
検査数が多いのは、イタリアやスペイン、アメリカのように、
感染拡大が深刻な国々であり、
韓国が特別、検査数が多いというわけではありません。
検査数の多い国々は、患者が爆発的に増えてしまったために、
やむを得ず検査を増やしているだけの話で、
単に検査を増やしても、防疫に役に立つという根拠にはなりません。

プライバシーを制限して、人の動きを把握し、拘束力を発揮するのが、
韓国の防疫体制のポイントであり、
これによって、一定の防疫効果をあげている(らしい)というのが、
韓国の感染対策の評価の分析です。

韓国政府は、軽症の感染者には自宅隔離を命じ、外出を禁止しました。
対象者については、スマホの追跡システムで、外出したかどうかを確認し、
違反者には、電子腕輪の装着を強制しました。
外出すると大きな警告音が鳴るしくみで、
腕輪を破壊したり、外せば、罰金刑が処せられるため、
物理的に外出できなくなります。

先日、ソウル市内で発生したナイトクラブでの集団感染について、
当該のクラブに入店したにも関わらず、PCR検査を受けない者には、
200万ウォン(約18万円)の罰金が科せられることになりました。
警察は、スマホの追跡機能やクレジットカードの使用履歴から、
現地を訪れた人物を割り出し、
自主的に名乗り出ない人物を追跡しています。

今年の死亡数と、昨年同時期の死亡者数を比較する、
「超過死亡」という指標があります。
これはインフルエンザの流行を評価するために利用されている指標で、
たとえば、「肺炎による死亡者数」の比較をすることによって、
流行の度合いを推定するものです。
肺炎による死亡者のなかには、通常の肺炎やインフルエンザとともに、
武漢肺炎による死者や、ウイルス検査を受けずに、肺炎と診断され、
実際には武漢肺炎で亡くなった人も含まれるところが、
このデータのポイントです。

各国のデータの設定がまちまちなのですが、いくつか紹介します。
イタリアでは、
2月20日~3月31日の武漢肺炎の死者は12,428人とされていますが、
過去5年間の平均値との比較で、
同時期の、肺炎に起因する超過死亡は25,354人になっています。
アメリカでは、3月の肺炎の超過死亡数は6,000人で、
発表されている、武漢肺炎による死亡者の3倍以上であり、
ドイツでも、肺炎の超過死亡数は3,700人で、
武漢肺炎による犠牲者の2218人を、1,500人近く上回っています。
今シーズン、アメリカではインフルエンザの大流行もあり、
他国の季節性の肺疾患の事情は、はっきりとはわかりませんが、
少なくとも、各国の肺炎の超過死亡数のなかに、
武漢肺炎による死者が含まれていることは間違いありません。

東京都では、1月からインフルエンザの罹患者は減少していますが、
2月15日から肺炎による死亡者数が増え始め、
3月22日までに、120~130人の超過死亡があったとみられています。
超過死亡数が小さいので、誤差の範囲である可能性はありますが、
同時期の死者として公表されている7人の犠牲者のほかにも、
武漢肺炎が原因にも関わらず、インフルエンザもしくは通常の肺炎として、
処理されていた事例がなかったとは言い切れません。

韓国では、死因別の超過死亡の分析は試みられていません。
もっとも、死亡者全体のデータは公表されているので、
そこから推理を展開していきましょう。

韓国の新聞発表によると、韓国では昨年対比で、
2月の死亡者数は20,000人、3月は25,000人以上増えています。
2月の死者数は、2000年代に入って歴代最大です。
これらは、病死のほか、事故死、自殺など、すべての死因を含んでいます。
すべてが肺炎、もしくは武漢肺炎による死者数の増加ではありませんが、
隣国の日本の事情から、推論をたてることは可能です。

一方で、日本国内の1~3月の死者数は、
過去5年間の同期間の平均との比較で、0.7%下回っています。
死者数の減少は、
この冬が暖冬で、季節性疾患が少なかったことや、
武漢肺炎対策として、マスクや手洗いが徹底されたことから、
インフルエンザによる死亡者が減少したこと、
外出自粛によって、交通事故死が減少し、自殺も減少していることに、
起因していると考えられています。
隣国の韓国でも、似た状況にあると考えていいでしょう。

日本では、肺炎のカテゴリーにおいて、
120~130人の超過死亡が発生しているというデータを示しましたが、
上記のように、死者数全体では減少しています。
このことから推論すると、
死亡者全体が増加している韓国における、隠れた武漢肺炎の死者は、
日本と比べて、けた違いに多いことを示唆しているのではないでしょうか。

韓国政府に隠匿する意図があるかどうかはわかりませんし、
わたしは、韓国の公式発表そのものも、ほとんど信じないのですが、
もし、死因別の超過死亡の調査がおこなわれれば、
より深刻な感染状態だったことが判明するのかもしれません。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。