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危険なアメリカ産牛肉

よしをです。
1970年代~1980年代初めにかけて、
中南米で、幼い女の子の乳房がふくらんだり、月経時期が早まるなど、
異常な発育が続出した時期があります。
研究の結果、その原因が、アメリカ産の牛肉に残留した、
合成肥育ホルモンのジエチルスチルペストロールであると認定されました。

この合成肥育ホルモンは、
妊婦の流産予防として、1940年代から使用されてきました。
生まれてきたこどもが成長すると、がんが多発したことから、
人体への使用が禁止されましたが、
肉牛の成長を劇的に早める効果があるとして、
酪農家が、こぞって使ってきたのです。

アメリカでは1979年に、EC(現在のEU)では1981年に、
肉牛への同薬品の使用が禁止されました(日本でも禁止されています)。
しかし、アメリカでは、ジエチルスチルペストロールに代わる、
同種の肥育ホルモン薬品が開発され、肉牛に投与され続けました。

肥育ホルモンの摂取による健康への影響は、はっきりしない部分があります。
摂取の蓄積により、結論がでるまでに数年から数十年かかることから、
検証が難しいというのが現実です。
体に悪そうだという推測は成り立っても、因果関係の立証が困難なのです。

しかし、EUは、疑わしいものは未然に予防するという考えに立ち、
1989年に、合成肥育ホルモン剤を使用した、
すべてのアメリカ産牛肉の輸入を禁止しました。
一方で、アメリカは、産業振興を優先して、
将来のことはわからないが、
現時点で悪影響がなければ大丈夫という考えに立って規制をしていません。
どちらが、国民の健康保持のための正しい立場なのか。

アメリカでは、肥育ホルモンによる健康被害を懸念する情報が浸透し、
どんどん牛肉離れがすすんでいます。
1976年の牛肉消費量は、1人あたり40キロでしたが、
2018年には、1人あたり20キロと、半減しているのです。

また最近、アメリカ国内では
ホルモンフリー表示のある牛肉が売られています。
ホルモンフリー牛肉は、通常のものより40%ほど高価ですが、
経済的に余裕のある家庭では、それらを選択することが常識です。
肥育ホルモン添加牛肉は、情報弱者や所得の低い層への消費、
輸出に回されます。
また西欧へ輸出できないため、規制の緩い日本などに向かうのです。

少し考えれば、わかりそうなものですが、
残念ながら、日本においても、アメリカの考えに近いようなのです。
日本では、今年1月から関税が下がり、アメリカ産牛肉の輸入が急増しています。
アメリカとカナダ産の日本への輸出牛肉には、
ほぼ100%、肥育ホルモンが含まれており、
それらの輸入牛肉は、
肥育ホルモンの表示もされず、堂々とスーパーに陳列されています。
2009年に、札幌市内のスーパーなどで購入した国産牛肉と、
アメリカ産牛肉の、エストロゲン(女性ホルモン)濃度を計測したところ、
アメリカ産牛肉は、国産の140~600倍ものエストロゲンが、
含まれていたというデータもあります。

1995年、日本の食品衛生調査会は、
肥育ホルモンは、低量であれば問題なしと答申しています。
日本の国産の牛肉には、肥育ホルモンは含まれていないのに、
輸入業肉に対しては、
なぜ、このように緩い二重基準が認められているのかという声が、
一部のNPO団体や、食肉流通団体から上がってきています。
要するに、日米貿易のパワーバランスによって、
この問題は政府や行政から黙殺されているのが現実なのです。

日本では、乳がんの患者数が増えています。
1981年に4000人ほどだった、乳がんによる死者が、
2017年には14000人と、300%以上に激増しています。
日本の乳がんの患者の年齢層グラフをみると、
50歳代と70歳代に、2つのピークがあります。
一方で、EUでは、70歳代に1つのピークがあるだけです。
日本とEUの70歳のピークの理由はわかりませんが、
肥育ホルモン牛肉が禁輸された結果、
50歳代のピークが存在しないという仮説は成り立ちます。
子どものころから、肥育ホルモン入り牛肉を摂取し続けた、
日本の50歳代の女性に、がんが多発した可能性があるのです。

マスコミには、つまらぬ些事で政権の揚げ足取りしている場合ではなく、
この問題こそ、取り上げてもらいたいものです。
今のところ、自分の体は自分で守るしかなさそうですが、
市民レベルでも、
肥育ホルモンの危険を啓蒙していかなければならないと痛感します。
アメリカ政府の方針が変わらないかぎり、
とくに女性はアメリカ産の牛肉を食べてはいけません。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。