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懐かしのM資金

よしをです。

不謹慎ながら、久しぶりに懐かしい気持ちになりました。

今年7月に、神奈川県警がM資金詐欺容疑で男3人を逮捕したという

ニュースを目にしたからです。

 

男らは「基幹産業育成資金」という架空の資金の存在を騙り、

資金提供の名目で会社役員から金を騙し取りました。

この基幹産業育成資金というのが、終戦時にGHQが残した資金、

すなわちM資金の一部であり、

総資産2000億円の融資を引き出すための手数料が必要だとして、

会社役員から合計31憶5000万円もの大金を騙し取ったのです。

 

M資金は、戦後GHQが日本国内で接収した秘密資金のことで、

ダグラス・マッカーサー連合国総司令官の頭文字、

もしくはGHQウイリアムフレデリック・マッカ―ト少将の頭文字をとって、

「M資金」と呼称されています。

現在の通貨価値で数千億円から数兆円とされる巨額な資金なのですが、

どこにも実在する根拠がなく、架空の存在であるにもかかわらず、

これまで幾度も、M資金をめぐる詐欺事件が起こっていました。

 

記憶にあるのは、俳優・田宮二郎氏が関わった事件です。

田宮二郎氏は映画、テレビで一世を風靡した昭和のスターで、

山崎豊子原作のドラマ「白い巨塔」での活躍や、

クイズ番組「タイムショック」の司会者としての活躍でも有名です。

 

1978年ごろ、田宮氏は、仲介ブローカーを名乗る人物から、

M資金を財源にした2000億円の融資をもちかけられ、

手数料として当時のお金で1000万円を騙し取られたのです。

現在の貨幣価値なら1億円にもなるでしょうか。

その手口は今回の神奈川の事件と同様で、

無担保、無金利による巨額融資を持ち掛け、

融資のための手数料を騙し取るものでした。

 

戦後の混乱期には、

大量の金やダイアモンドを含む軍需物資が、

保管されていた日本銀行の地下金庫から秘密裏に流出した噂や、

児玉誉士夫関東軍から譲り受け大量のダイヤを満州から持ち帰ったとか、

笹川良一が取り仕切って、やはり上海から大量の貴金属を持ち帰り、

日本船舶振興会の設立資金になったという噂など、

M資金のほかにも、不透明な隠し財産の噂は絶えませんでした。

実際に米軍によって物資や貴金属が接収された事案もあったため、

M資金などについても、戦後しばらく現実味をもって語られてきたのでしょう。

その他の詐欺のバリエーションとしては、皇族の秘密資金やユダヤ資金、

宗教法人マルタの騎士団を騙ったものもありますが、

やはり融資詐欺の王道といえば、M資金に尽きるようです。

 

M資金詐欺にあってしまうのは、大企業の重役や富裕層です。

なぜ、こんな手口に騙されるのかと不思議に思いますが、

詐欺師の側に、よほどの高度なテクニックがあるのでしょう。

巨額の融資を、低金利かつ無担保で得るために、

融資額の1~3%程度の手数料を支払えばよいという話が、

もし本当であるなら、投資家にとっては実にオイシイ話です。

 

それにしても、戦後70年以上たって、いまだにM資金とは。

相変わらず根強い人気があることに驚きです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。