社外取締役という存在
よしをです。
会社とまったく関わりのない人物が、ほとんど責任を問われることもなく、
経営に対してあれこれ意見をいうのが、社外取締役という存在です。
上場企業であれば、2人以上配置することが義務付けられています。
このような制度が生まれた背景には、さまざまな企業の不祥事をうけ、
企業のガバナンスを強化し、
経営陣が暴走しないように、監視すべきという、
司法や行政の思惑があったということなのでしょう。
お題目は美しいのですが、実効性には大いに疑問があります。
企業の不祥事などの暗部は、組織の奥底に原因があるわけですから、
当該企業の実態を知らず、表面ヅラしか触れることのない社外取締役が、
不正の摘発や、経営の暴走抑制の役割が担えるとは考えにくいのです。
社外取締役になるのは、大企業の役員経験者や官僚、金融機関、
弁護士や会計士などの士業、大学教授や業界関係者などですが、
かれらは、ブレーキを踏むことはできても、
あらたな事業展開を後押しするような、アクセルの役割をすることは、
難しいと思います。
なぜなら、かれらは当該の社業の専門家ではないからです。
畢竟、社外取締役というのは、監査役とほぼ同等の存在だと思うのです。
ある企業が、社外取締役を要請する場合は、
当該企業にとって、都合のいい人物に依頼することになるわけですから、
監査役としての抑制力も弱くなります。
このような、役割のよくわからない人たちに対して、
大企業は、年間500~1200万円の報酬を支払うことを強制されています。
上場企業2500社を対象に、
経済産業省がおこなっているアンケート調査によれば、
社外取締役が期待する役割を果たしていると回答した企業は、
およそ50%だということです。
つまり、社外取締役制度を取り入れている企業の半分が、
かれらの働きぶりに、不満をもっているということになります。
むしろ、わたしは、50%の肯定の結果が信じがたく…(汗)。
50%の否定論のなかには、
元経営者で、社長気取りの人や、自慢話に終始している人、
その逆に、社長の太鼓持ちのような人や、
徹頭徹尾、新規の事業展開を阻止するために血道をあげている人など、
役に立たないどころか、経営に害悪を及ぼすケースもあるようです。
常勤取締役は、重過失によって、会社に損害を与えれば、
株主から損害賠償訴訟を提訴されるリスクがありますが、
社外取締役には、責任限定契約が認められ、
ある一定額以上の金銭的な責任は問われないという規定があります。
畢竟、社外取締役とは、一種の名誉職であり、
そのような希薄な責任感のため、
本来すべき、経営監視がおこなわれないケースが多いのでしょう。
わたしの会社の取引先の企業が、女性の社外取締役と契約したところ、
その大学教授は、
日に日に、服やバッグが高級ブランドに変わっていったそうです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。